Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

ガイド山行2020…ホーム秀回ルートで…

2月20日 三重県釈迦ヶ岳
昨年に引き続いて京都の山友ご夫妻をホームにご案内させていただくことが出来、朝陽を眺めながら待ち合わせの駐車場に向かいました。

山友グループ「バンビー4」で訪ねた2016年1月以来の釈迦ヶ岳。一般ルートとしては中尾根を利用しますが、私達は破線ルートになった庵座谷が定番。朝明川の支流に沿って谷を詰め、最後は標高差200m、急斜面の直登。登頂後は、主峰「御在所岳」を初めとした鈴鹿中部の峰々と伊勢湾を望みながら、県境尾根を縦走します。このルートの特徴は、松尾尾根分岐と山頂間の10分程度が唯一の重複区間で、僕が知るホーム秀逸の周回ルートです。
「今年も雪が少ないね」は山ヤの間では常套句。2月上旬に登った藤原岳の雪はすっかりなくなっており、夏靴で登れるのではと話していました。ところが、2月18日に寒波が西日本を覆い、ホームに雪をもたらしました。翌日、ホーム北部の情報を見れば、20㎝程度の積雪はありそうでしたが、中部になると様子が判りません。朝も車窓から山の斜面を眺め、何とか雪は踏めるかなと多少の期待を持てる微妙な雰囲気…。
山友さんには事前のコース紹介で概略は伝えたものの、あまり人が歩かない庵座谷ルートは浮石に対する注意が必要であることを再度確認しての出発です。ゆるやかな道とロープの張られた急登、そして、ガレ場の通過。特段、一般ルートと変わらないように見えるルートも、浮石ひとつで救助要請。そんな危険箇所が破線ルートにはいくつもあります。ちなみに、ルート上は“圏外”です…。
出発して1時間弱で小峠。枝間に庵座の滝が望めます。
「あの滝を右から巻きます」
過ぎてみれば気付かない登りも、こうした対象物があると一味違って感じられます。雪が付けば危ないトラバース道を過ぎ、庵座の滝を巻いた後ぐらいから、雪が出始めました。ここで、山友さんと先頭を替わります。ルーファイは求められますが、前回の本谷と違い、横移動が続くため後方からでもフォローが可能であり、破線ルートをより実感してもらいました。幅の広い河原を進むルートでは、目印の確認方法、ガレ場の急登では足の踏み込み方や体重移動など、経験上に知り得たことをお伝えします。
三段の滝を巻いた河原で何故か踏み跡が消え、待望のノートレース。山友さんもテンションが上がります(^^♪
中尾根分岐を過ぎる頃には、くるぶし辺りまで入ることもあり、新雪独特の乾いた音が身体全体をも包み込みます。核心部、直登の吹き溜まりでは30cmほど沈み、更にテンションアップ(笑)。左側にはこれから歩く県境尾根、右側には伊勢湾と山麓の町並。後方には主峰を中心に雨乞岳、イブネ等中部の峰々が残雪期のような青白い佇まいを見せています。また、アルペンムードの大蔭が眼前に迫る様子はルートのハイライトと呼んでもよいでしょう。
松尾尾根ノ頭が本日の最高点。そして、直登の終了点でもあります。山友さんの「楽しかったぁ」が印象的でした。ここからは一般ルートになり、稜線歩きが続きます。意外にも良質の雪が待っており、さすがにトレースはありましたが、逸れて林の中に入り込むと、膝下まで埋もれるところもありました。何より、前回の藤原岳と違って日本海側気候が影響した乾いた雪は、浮遊感たっぷりです。時折、薄日が射し、ふわっと明るくなる林。快晴だと雪が溶けてしまいそうで、今日の天気が丁度よい感じです。また、風を感じるほどでなかったことが一番でした。北部の竜ヶ岳や藤原岳を望むと、山頂付近は雲がかかり、風の音がここまで聞こえてきそうです。(^^;
新雪とともにお気に入りのルートをご案内することが出来、楽しそうに歩く山友さんを最後尾から見ていると、自然に笑みがこぼれます。
「やっぱり山は楽しい日に登らなきゃ」
山頂から羽鳥峰峠まではホーム縦走路になるロングトイレル「県境尾根」で向かいます。ここを歩けば、三重県側と滋賀県側の地形の違いも良く判ります。標高を下げても登山道には雪が残り、やがて泥濘注意の個所も出てきました。そして、ポツンと現れる木の無いピーク。それが「羽鳥峰」。いつ訪ねても、何か不思議な感じがするピークです。そこを下れば稜線とも別れ、道は落ち葉道となり、やがて、林道、舗装道と変わります。建物が見え始めると楽しかった山行も終盤。
「行けそうで、ちょっと躊躇うホームのルート」をテーマに2回目のガイド山行も無事に下山。次回は、大峰方面も視野に入れ、お別れをしました。
 下山後は、同じ施設内ですが、山友さんは温泉、我々はケーキ屋。人それぞれにいつもの…(笑)

f:id:Regulus0821:20200221212934j:plain
この時期は 伊勢湾からの御来光を望めます
f:id:Regulus0821:20200221213001j:plain
このルートが誇る「庵座の滝」
f:id:Regulus0821:20200221213026j:plain
落石に注意…庵座滝の巻き道
f:id:Regulus0821:20200221213054j:plain
こうして見ると破線になったのも判ります
f:id:Regulus0821:20200221213122j:plain
河原→急登→河原→急登…が続きます
f:id:Regulus0821:20200221213151j:plain
次のルートを指差してもらいました…三段ノ滝
f:id:Regulus0821:20200221213226j:plain
ここからノートレース…只今 ルーファイ中…
f:id:Regulus0821:20200221213304j:plain
横から縦への移動が始まりました
f:id:Regulus0821:20200221213341j:plain
あの稜線は一般ルート (^^;…大蔭
f:id:Regulus0821:20200221214552j:plain
直登2/5地点の展望台
f:id:Regulus0821:20200221214621j:plain
核心部の通過中…
f:id:Regulus0821:20200221214656j:plain
笹が出始めると ルートも終盤
f:id:Regulus0821:20200221214726j:plain
登って来たルートを確認中(笑)…松尾尾根ノ頭(釈迦ヶ岳最高点)
f:id:Regulus0821:20200221214757j:plain
山麓の町並と海が 三重県側の景色
f:id:Regulus0821:20200221214826j:plain
これが 壷足です(笑)
f:id:Regulus0821:20200221214854j:plain
風が無ければ散歩道…県境尾根
f:id:Regulus0821:20200221214927j:plain
木曽三川を眺めながら 釈迦ヶ岳登頂
f:id:Regulus0821:20200221214959j:plain
ホーム北部は ここより寒そう…鈴鹿アルアル(笑)
f:id:Regulus0821:20200221215030j:plain
展望の縦走路「県境尾根」…前方は「猫岳」
f:id:Regulus0821:20200221215103j:plain
歩いた直登ルートと稜線 そして 大蔭…猫岳山頂より
f:id:Regulus0821:20200221215133j:plain
食後は お土産の交換会
f:id:Regulus0821:20200221215204j:plain
雨乞岳にイブネ…ホーム中部の奥座敷
f:id:Regulus0821:20200221215237j:plain
昨年登った御在所岳を眺めながらの山行が続きます
f:id:Regulus0821:20200221215311j:plain
雪が残りにくい所と残りやすい所
f:id:Regulus0821:20200221215343j:plain
ルートは猫岳・ハト峰・猫谷…そして道には「鹿」(笑)
f:id:Regulus0821:20200221215413j:plain
県境尾根を振り返ります…猫岳~釈迦ヶ岳
f:id:Regulus0821:20200221215446j:plain
猫谷を下れば 山旅も終わり
f:id:Regulus0821:20200221215519j:plain
下りの核心部(左側にロープ有) 猫谷第一堰堤(オランダ堰堤)…国登録有形文化財
f:id:Regulus0821:20200221215548j:plain
山麓から眺める釈迦ヶ岳は 秀麗です
f:id:Regulus0821:20200221215616j:plain
2020新作で いつもの…(笑)