Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

秋風が笹原を吹く…三津河落山

10月2日 奈良県三津河落山
台風一過の秋晴れと平日休暇が重なれば、向かうは「山」しかないでしょう…(笑)

数年前、大峯山系七曜岳の山頂で教えていただいた「三津河落山(さんづこうちやま)」。すぐ近くには百名山のひとつ「大台ヶ原山」…この名前は「日出ヶ岳」の基準点名…があります。
大台ヶ原山上駐車場の手前、約1㎞に登山口「川上辻」への入り口があります。とは言っても、今日のルートは一般登山道ではなく、また、自然保護上、ルート(踏み跡)を外れて歩くことはマナー違反です。
一般道と分かれ細い踏み跡を進むと、台風の影響か登山道でないからか、所々、倒木に行く手を阻まれます。また、笹の葉が踏み跡を覆い、躓かないように注意も必要でした。しばらくすると、岩が露出した小さなピークと三角点。「名古屋岳」に到着です。ここからルートは直角に右へ。しかし、気付いた時にはルートロスした後で、マナー違反…申し訳ありません。地図(アプリ)を確認し、次のピーク「如来月山」…何と読むのだろうか??? …へのルートに戻りました。
青空が立ち枯れの木々の間に広がる斜面。その時、倒木の陰から赤毛の小動物が飛び出し、斜面を慌てた様子で駆け上っていきました。胴体と同じ程度の尻尾が印象的な「狐」です。山行中の狐は初めての体験。この山の豊かさが窺えます。
大きな岩を回り込んで着いたピークと三角点。この辺りの最高点1,654mに到着です。ルートロスはピークからの下りで起きやすいことは先ほどの出来事で学習済 (笑)。次のピーク「三津河落山」へのルートを地図で確認してから出発すると、空が段々近付いて来るのが判りました。緩やかに登り返して「三津河落山」に到着。今回のメインルートになる笹の稜線歩きの起点です。ただ、これと言ったピークはなく、また、ネットで見かけた山頂標識は台風で飛ばされたのか見当たりませんでした。
ここからもうひとつの起点「大和岳」への稜線歩きは、鈴鹿・竜ヶ岳の遠足尾根、湖北・赤坂山から寒風、大谷山の高島トレイルと似ていますが、モニュメントのように所々に配された白き倒木は、「魔の山」と恐れられた大台ヶ原山一帯の歴史を物語っているようでもあります。
紀伊半島の東側、高見山から大台ケ原山へと続く稜線「台高山脈」は、大峰山脈と並んで近畿の屋根と呼ばれており、その両棟をここから楽しむことができます。また、峰々の向こうには熊野灘の海岸線を望め、我が県、三重県西部を一望している気がします。目を移せば、台高山脈がまるで地平線のようにどこまでも続き、今立つ場所の奥深さを感じます。そして、この一帯だけが笹原になった「時の流れの不思議さ」。時の流れは見えませんが、山ではその悠久の時を感じることが出来ます。
笹原を揺らす風は秋。その音に混じって、時々聞こえる甲高い鹿の鳴き声。少しだけ時代を遡った錯覚…。
雨量計の建物が建つ「日本鼻」と呼ばれるピーク。いくつもの踏み跡が交差し、下り坂で再び、ルートロス。グリーンシーズンなのに、薄いトレースが一本しかない雪山状態です ^^;
ルートに戻り、最後の登りに向かいます。軽く刷いたような雲が秋空に描かれ、青と緑の境界線に最後のピークと三角点がありました。歩いてきた道を振り返ってのランチタイム。顔を振り向けば、春、幕営をする大峰・弥山を真正面に捉え、熊野から吉野へと続く大峯奥駈道。この広い世界を2人で過ごす時間の何と贅沢なことでしょう。
石楠花の群生地で笹原道も終了。ドライブウェイまでは、何度も地図アプリで確認をしながら下りました。3.5kmほどドライブウェイを歩きましたが、普段は車窓を流れる景色をゆっくり楽しめたこと、平日で交通量が少なかったこと、風が爽やかで暑くなかったこと等々…意外と苦にならず、車に戻ることができました。
下山後は、紆余曲折の末に いつもの…(笑)

f:id:Regulus0821:20181003212404j:plain
大台ケ原を象徴する景色
f:id:Regulus0821:20181003212427j:plain
苔のフリースを着ていた幹
f:id:Regulus0821:20181003212448j:plain
鞍部は 明るい森歩き…
f:id:Regulus0821:20181003212511j:plain
最高峰(如来月)への登り…背後は名古屋岳
f:id:Regulus0821:20181003212534j:plain
このあっさり感が いい雰囲気でした
f:id:Regulus0821:20181003212558j:plain
秋の収穫祭 「苔の稲刈り」
f:id:Regulus0821:20181003212621j:plain
空が 視界一杯に広がってきました
f:id:Regulus0821:20181003212643j:plain
三津河落山の印…気持ちだけ(笑)
f:id:Regulus0821:20181003212705j:plain
熊野灘が見えるのは 大台らしい景色です
f:id:Regulus0821:20181003212727j:plain
あの頂までが 今日のメインストリート
f:id:Regulus0821:20181003212749j:plain
奥駈道を遠くに 笹の稜線歩き
f:id:Regulus0821:20181003212842j:plain
奈良県側…尾根の向こうは 三重県です
f:id:Regulus0821:20181003212905j:plain
作品名「前へ…」
f:id:Regulus0821:20181003212925j:plain
三津河落山~日本鼻…見た目ほど高低差はないと思います
f:id:Regulus0821:20181003212946j:plain
雲が優しく 踊ります
f:id:Regulus0821:20181003213006j:plain
この向こうに待つ 景色をもとめて 最後の登り
f:id:Regulus0821:20181003213030j:plain
これぞ 奈良県の山…(笑)
f:id:Regulus0821:20181003213053j:plain
遠くから見れば 判る道もあります
f:id:Regulus0821:20181003213119j:plain
今日の道を 振り返ります
f:id:Regulus0821:20181003213142j:plain
近畿の屋根 大峯奥駈道は吉野へと
f:id:Regulus0821:20181003213204j:plain
〇〇がとお~る 獣道♪…
f:id:Regulus0821:20181003213225j:plain
最後に 大和岳を 振り返ります
f:id:Regulus0821:20181003213246j:plain
景色を切り取れば 一足早い「秋」
f:id:Regulus0821:20181003213309j:plain
林道歩きより 良かったドライブウェイ歩き
f:id:Regulus0821:20181003213330j:plain
万葉の里にて いつもの…