Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

ドイツで初めての 山散歩

6月1日 Bad Kohlgrub, Bayern,Deutschland:Zeitberg
入国3日目 身体を慣らすため、50kmほど南下し、麓の集落に向かいます。

23年振りのドイツ。前回は南チロルの山を歩いたものの、ドイツ国内の山は歩かず、今回が初めてとなります。
友人の住むVilgertshofen(フィルゲルツホーフェン)は、Bayern(バイエルン州)の南部に位置する標高700m前後の集落で、ドナウ川の支流であり、アルプスを源とするレヒ川が近くを流れる、風光明媚な場所。そこから、登山口になるBad Kohlgrub(バート・コールグループ)へは40分ほどで到着。駐車地からしばらくは集落を進み、しばらくすると、すでに3日目で見慣れてきた広大な農地が緩やかな起伏を伴って広がり、その中に、赤茶色した屋根と白い壁の家々が朝陽に照らされていました。
20分程歩くと車道から地道(舗装されていない道)へとなり、やがて塔屋に十字架がある小さな建物が出迎えてくれます。入口上部に描かれた鹿の絵や建物内部に置かれていたものから、猟師に纏わるものなのかもしれません。また、個人の写真も飾られていたので、日本で言う安全登山を祈願する神社的なものではないのでしょうが、とにかく、祈りを捧げました。次第に道の傾斜がきつくなるものの、私たちを気遣ってゆっくりとした歩調で進むため、息も乱れず、また、爽やかな朝の風は、身体の火照りを抑えてくれます。
植生はドイツトウヒと思われる針葉樹が多く、道端の草花は日本で見かけないものもあります。また、姿を見せない鳥達の囀りは想像力を高めます。すでに友人宅の庭にて、日本でも見かけるシジュウカラ(但し、腹は黄色)やゴジュウカラ、アカゲラの他、日本で見る機会の稀な ノハラツグミ、クロウタドリ、ホシムクドリを見ており、この山行でも期待が膨らみます。
友人曰く、いくつもあるルートから、往路は直登、復路は緩やかルートを選んでいるということですが、その言葉どおり、急な登りが続きます。歩き始めて約1時間。時折、視界が広がり、樹々越しには麓の集落から続く緑の大地や天を衝く険しい岩峰、日本では見かけない稜線にため息が出ます。冬にはゲレンデになるのであろうリフト乗り場を過ぎると、再び、急登の始まり。基本、ゲレンデの登りはきつく、それはドイツでも同じでした。しかし、振り返ってみれば、樹間に切り取られた世界が、ここは日本でなく、ドイツであることを思い起こさせ、今自分が歩いていることに旅の実感が湧いてきます。時々、すれ違う登山者と交わす言葉は「Hello」。やっぱりここは、異国です。
樹林帯からゲレンデに戻ると、小屋(Hörnlehütte)も見えてきました。そして、更にその左側には、目的地と思わしき展望台も見えます。その時、小屋の陰から一羽の鳥がぴょんぴょんと飛び跳ねながら近付いてきました。雀よりひと回りほど大きく、頭頂部分はまるで五分刈りしたような赤茶色の鳥。図鑑を含め、見かけたことのない鳥だったため、早速、検索したところ、ズアオアトリだと判明しました。
さて、思わぬ歓迎を受けて少し足止めをされましたが、登山口から2時間弱、標高1,404m Zeitbergに登頂です。中央に十字架が立つ展望台からは、南にドイツ最高峰 Zugspitze(ツークシュピッツェ)を始めとしたWetterstein-Gebirge、Ammergauer Alpenの連なり、北側はBad Kohlgrubの集落を中心に、霞みながらもStaffelsee(シュタッフェル湖)が見え、森と湖の山麓風景が広がっていました。麓からはリフトで来ることが出来ます。但し、まだ運行前で、私達を含め、4名だけの静かな時間を過ごせました。ここから先にもまだまだ道は続いていますが、今日はここまで。そして、いつまでも眺めていたい景色であっても、時は止まらず、展望台を後にします。途中まで同じ道を利用し、ゲレンデ下のリフト乗り場で分かれ、林道のような道を下りました。途中、シュタッフェル湖が前方に広がる場面に放牧の牛たちや一面のお花畑を通り過ぎるなど、往路とはまた違った雰囲気の中、下山路を楽しみました。
休憩を含めて、4時間弱の山行。低山歩きに分類されるのでしょうが、景色は当然ながら、登山道や小屋など、その環境は日本と異なります。冬になればスノーシューハイクを楽しめるそうで、身近なところで、滋賀県のマキノ高原を思い起こさせたドイツ初の山歩きでした。
下山後は、遅目の昼御飯だったため、翌日にいつもの…(笑)


丁寧な案内表示なんでしょう…多分(笑)

この景色が 日常風景

このような建物は 各地で見かけました...Hubertuskapelle

朝陽が森を照らします

北側には 広大な土地が広がっています

日本で言うところの キレットですね

ドイツとオーストリアにまたがる Ammergauer Alpen

登ってきた感よりも 高度感がありました

キンポウゲの仲間だと思います…標高は1,300mほど

遠くに Goalらしき 建物

後で 鳴き声と姿が一致する…ズアオアトリ

鮮やかな色が ひと際目立っていました…サクラマンテマ? シレネ・ディオイカ?

さて どんな世界が 待っているのでしょうか

南側は Ammergauer Alpen

ドイツ最高峰 Zugspitze 2,962m

北側は バイエルン州Bad Kohlgrub のジオラマ

真っ赤な車両が 目立っていました

道は まだまだ 続きます

この青空に 感謝して 下山開始

気軽に登れる 素晴らしき低山

道幅が広いのは 車道だけでは ないようです(笑)

そろそろ 運行開始時刻となります

美しい下山路でした…シュタッフェル湖

集落でも よく見かける 十字架

放牧の牛との出逢いも 日常風景

ザッハトルテから 始める いつもの…(笑)