Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

ちょっと一息…伊賀の高尾山

1月29日 三重県霊山
走り慣れた道から山頂を望み、駐車場を目指します。

日本に限らず、世界一登山者が多いと言われている高尾山。規模は全く違いますが、伊賀の山域で最も登られている山が「霊山」…と言う僕のイメージ。
三重県中部を南北に連なる布引山地の北端に位置する標高765.8mの山。クリンソウが有名なのは知っていましたが、今回初めて登るにあたり、山麓にある霊山寺の桜や紅葉、そして、今日のような雪道など、四季を通じて楽しめる山であることを知りました。おらが山「尼ヶ岳」は布引山地の南部にあり、そこから連なった山稜が、峠を越え、ホーム鈴鹿へと続きます。山の名前の由来となった「霊山寺」は、りっぱな伽藍を山頂に有した巨大寺院で、今は、その遺構を偲ぶだけとなっています。
一般的な登山口は東西に分かれ、今回は、西側の霊山寺ルートから山頂を目指し、東側の田代湖ルートを利用した後、源流探索ルートから稜線を縦走する周回コースとしました。
登山口から山頂までは約1時間。標高差は400m。一旦、下った所にある田代湖畔で昼食する予定から逆算し、登山口10時出発で自宅は9時出発。のんびりとした計画を立てられるのは、地元の低山ならではのことでしょう。
霊山寺の駐車場を利用し、参拝後、裏手から続く登山道へ入ります。苔むした石仏が無造作に点在し、かつて、ここが参道であったことを私達に伝えています。駐車場から続く別ルートと合流すれば1合目。200m毎に整備されているようで、山頂までは残り1,800m。まずは階段からのスタートです。途中には桜地堂や六地堂、原地堂、たいこ岩など、目安となるポイントもあり、気付けば分岐点となる稜線に到着です。ただし、先日降った雪の影響で、所々に凍結箇所があり、特に合流直下の10数mは注意が必要でした。
稜線の交差点を左折し、山頂を目指します。穏やかな登りの先から聞こえる歓声がやがて大きくなり、急な石段を登れば山頂遺跡に到着です。まず目に付くのが、切通しのように、通路部分だけを切り取られた先にある五輪塔や宝篋印塔等の遺跡。山頂と言うよりも「史跡」。そして、対照的な光景として、歓声の発信源、地域の団体と思われる小学生が、雪合戦などをして楽しんでいました。
石室のある祠を囲うように土塁が築かれ、その上を歩けば、雪だるまが置かれた三角点、霊山登頂です。見慣れた景色を俯瞰できる眺望は「大人のジオラマ」。この景色を折り返し地点として、何度も通われる方の気持ちが判ります。しばらくして団体が下山すれば、ほぼ貸し切りの山頂。お腹も空いてきたため、私達も次の目的地へ移動します。
交差点まで戻り、田代湖に向かって200m程標高を下げます。アセビの群生地を抜け、現代の遺跡とも言える野外活動センター跡に人造湖の田代湖。その湖面を望める何かの跡地で昼食タイム。陽射しに煌めく水面が印象的でした。
車道から源流探索コースを進めば、いくつもの沢から本流へと入る小さな流れ。それらを越えた先に本流の源流地点と思しき場所があり、そこを過ぎれば稜線。次は、交差点まで戻る縦走が始まります。
いくつかのアップダウン…時にはジグザク歩行したくなる急登…を繰り返し、南峰手前でチェーンスパイクを装着。安定感が一気に割増です。南峰の外れから霊山山頂を望め、その右奥には、雪を纏った峰。伊賀地方らしい展望に思えました。交差点直下の核心部、凍結区間もチェーンスパイクのお陰で難なく通過し、あっという間の下山となりました。
800m弱の山とは言え、登り返しをすることで標高差を積み上げ、山頂展望に限らず、史跡や湖畔ハイクに源流探索。そして、プチ縦走。変化に富む登山路を楽しめる正しく「低山の王道」。おらが山とは一味違うルートとして今後も歩いてみたいと思いました。
下山後は、ポイント狙いのお店でいつもの…(笑)


歴史がこの山の登山口

伊賀地域らしき 案内板が 山頂まで続きます

境内を抜け 本来の参道へ…

参拝者を見守ってきたのでしょうか

しばらくは 呼吸合わせの 登りが続きます

六合目は…六地堂

何気ない道にも 油断禁物です

核心部でした…凍結階段

山頂は 円形テーブルに守られているようです

静けさを取りもどした 山頂です

今日はゆとりの バンビーズ

春霞には まだ早い

さて お昼ご飯に向けて 出発!

登山道から離れ 青山高原風車群を 望みます

こちらは アセビ群生地…

昭和の遺跡たち

趣が増した 冬の薄曇り…田代池

池畔には モンスターが 潜んでいました

冬枯れの森を照らす 地上の緑

常緑と落葉が交差する稜線歩き

雪嶺は綿向山か…

こちらは ホーム主峰「御在所岳

南峰を過ぎれば アセビのお出迎え

本日の稜線歩き…田代池は この向こう側

火照った身体を冷ます いつもの…