Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

秋山を前に 山慣らし

9月14日 奈良県大台ヶ原
次第に濃くなるミルキードイラブウェイを駐車場に向かいます。

帰国した後、しばらくは整理などに追われ、また、賑わいを取り戻した北アなどへは、とても行こうと思う気分にはなれず、インドアな生活を続けた2023年の夏。9月に入り、自宅周辺ではようやく秋の気配を感じ始めた朝夕。まずは鈍った身体を動かそうと、散歩を再開。ただし、日中はまだまだ暑いので、虫の声を聞く夜…。
そんな暮らしの中、3連休明けの天候次第では、白山へテント泊山行を予定し、その足慣らしに、この暑さでも歩ける場所はと思えば、それは「大台ヶ原」一択。結局、予報では晴れマークが付かなかったため、山行は延期にするものの、足慣らしと言うより、山慣らしと言うことで、大台ヶ原へは向かいました。
ところが、予定をしていた14日も、次第に天候が怪しくなり、前日の予報では午後から雨。11時出発の予定を9時にする1つ目の変更。そして、前述のミルキードライブウェイは予定コースを半分にする2つ目の変更となりました。
ここ大台ヶ原熊野灘を望みながら、整備された登山道を歩くのが魅力のひとつ。そして、よくポスターで紹介されるのが、山から突き出た大岩の展望スポット「大蛇嵓」。今日は久しぶりにここへもと思っていましたが、ミルキーな世界は断崖も散策路も同じ展望になるため、次の機会にします。
着いた時の気温は18℃。下界の最高気温は、30℃を超すと言われる中、1,572mの駐車場はそれを忘れさせます。ただ、南の湿った空気感で、蒸してくるような風です。近年の大台ヶ原は、山を歩くことよりも、鳥見がメインとなっていますが、苔やコメツガ、ウラジロモミの樹林帯を歩く散策路。現代アートのようなトウヒの立ち枯れとミヤコザサのコラボなど、展望がない時にも楽しめる場所。今日は少し秋も探せればと思いながら、駐車場を後にします。
ビジターセンターの横から東大台右回りの登山道が始まります。歩き始めてすぐに、山頂「日出ヶ岳」と「尾鷲辻」の分岐点となり、尾鷲辻方面に向かいます。それは、正木峠付近から正木ヶ原間に整備された木道を下りではなく、上りで利用したいため。特に、湿りがちな階段は危険回避にも繋がります。
尾鷲辻へは所々石畳となった平坦な道。ここも滑る可能性があると思いながら歩くことが重要。そんな足元、潤いを帯びた多くの苔は、生き生きとした表情を魅せ、苔の森に隠れてしまいそうな茸がひっそりと佇んでいました。
昨年、日出ヶ岳直下の展望台では、熊に襲われる事故が発生するなど、大台ヶ原では多くの目撃情報がありました。検索したところ、話題に上っていなかったので、今年はまだ大丈夫かと思いながらも、人の訪れが少ないこんな天候では、鈴と熊除けスプレーは安心材料。途中、昨年まではなかった熊除けの鐘が何ヶ所か設置されており、訪ねる側にも心構えと準備が必要であると感じます。
これまでと変わって、尾鷲辻から正木峠までは上り調子。次第に汗ばんできます。曇っていても、気温が上昇しているように感じます。そこで、展望もないことから、日出ヶ岳へは向かわず、手前の分岐点から駐車場に戻ることにしました。今日、3つ目の変更。
シロヤシオが広がる正木峠からの下り、秋への準備を始めた葉を見れば、猛暑だった2023年の夏もそろそろ終わりが近付いてきたのかなと期待します。結局、2時間ほどの散策でしたが、自宅周辺の散歩とは明らかに異なる道の状態に、山の記憶を呼び起こせました。
下山後は、地元の和菓子店で購入したいつもの…(笑)


時間の概念を無くしそうな 苔の世界

小さい秋を見つけました

キンポウゲ科トリカブト属「カワチブシ」

薄日が射したのは ここまで 

森の奥にある 異世界

有為転変…正木ヶ原

竜? 獣? … 想像力が広がる正木ヶ原

これは これでの 大台ヶ原

1番と3番に該当しました

正木峠に向かう裏玄関口

歴史を感じ始めた 散策路

正木ヶ原方面を振り返ります

いつの日か 元の森を取り戻すのでしょうか

晴れていれば 雲の代わりに 熊野灘

ここでも熊の目撃情報はありました

たまには こんな景色も良いもんです

正木峠に向かって 最後の上り

本日の最高地点 … 正木峠

少しずつ 季節は 移ろいでいきます

山頂(日出ヶ岳)も 次の機会に…

今日 一番の秋でした…

帰り道 何気ない石畳に 要チェック

所々で 落下していました…ウラジロモミ

茸=秋 は 脳に刷り込まれています

いつものは 夏から秋への バトンタッチ (笑)