八ケ岳東稜…ウルップソウを訪ねて
7月2日 長野県横岳(三叉峰)
ウルップソウ…本州では白馬岳、雪倉岳、硫黄岳(八ヶ岳)とここ横岳にのみ咲く紫色の花。花のガイド本を手にし、まずはその名前に惹かれ、次は、目立つ姿とその色。初めて出逢ったのは、開花時期が終わった8月上旬の白馬岳。雪田の縁に一株だけ咲いていました。ウルップソウより少し早く咲くツクモグサも白馬岳と横岳周辺のみ生育しており、どちらかと言うと、こちらの方が人気者。夏の花便りが聞こえ始めた八ヶ岳。大好きな杣添尾根で逢いに行きました。
先週、このブログで紹介された杣添尾根。曇り空の今日、6時過ぎに登山口に着いた時は3台の先客。雨雲レーダーで天候を確認しながら車中停滞をし、6時45分に出発しました。山麓の雑木林を進むと、時折、強風が駆け降ります。雲に隠れた稜線に不安を感じながらも「雨さえ降らねば…」と静かな八ヶ岳の森を登り始めます。苔たちは生き生きとし、ひと周りも大きくなった感じ。シラビソの森を歩いていると突然、甘い香りが漂い、また、我々の足音を打ち消すほどの囀りが森に響き渡ります。天からの潤いか森の潤いか…八ヶ岳東稜はこんな日が丁度いい。
冬道の分岐点から始まるダケカンバのトラバース道。山頂直下にあるハイマツの海へと続く並木道。残雪で遅れたバイケイソウとダケカンバの新芽が季節を春へと巻き戻します。冬道に合流するとハイマツの海。麓の町が明るく見えるのは、半年前、凍てつく寒さの中登った時と同じ。違うのは、今日は稜線まで登ること…。
三叉峰…雲と風が通りすぎる三叉路。今日は長袖を一枚羽織っても肌寒い、花冷えの日です^^; 展望は先週投稿した方にお任せし(笑)、今日の目的、夏花と対話をします。南八ヶ岳の岩稜帯を覆い隠す花の絨毯は、展望がなくても遜色はありません。
季節を感じる出来事は人それぞれお持ちでしょうが、僕にとって山に咲く花は、四季折々を感じることができる大切な存在。そんな夏の扉を開いてくれる門番が「ウルップソウ」です。
例え照り付ける陽射しがなくても、風が強くて長袖を羽織っても、今日が僕にとって「2017年の夏山開き」。
下山後は、いつものお店でいつもの…あぁ、八ヶ岳…(笑)
追記)杣添尾根の登山口に入ってすぐ木橋を渡ったところに、手摺の付いた金属製の階段があります。上から3段目の踏み板は片流れになっており、しかも、谷側へ傾いています。下山時(特に、雨に濡れた時)は手摺をしっかりと持ち、慎重に下りる必要があります。
厚い雲が東稜を隠します
冬 真っ赤だったケショウヤナギは 萌黄色
杣添尾根の玄関口ですね
足元の苔を楽しむのが 前半の楽しみ
適度な標識が 静かな山歩きを守ります
時間が止まったような世界観…ナルコユリ
「苔の万歳三唱の図」…(笑)
笠雲が 雪のようです
冬道の分岐点…背景は 金峰山方面
八ケ岳のコイワカガミは苔が似合う(^^)
ダケカンバの並木道から東面
この日 一番の視界…^^;
杣添尾根冬ルートを振り返る…今冬こそ
ハイマツで隠れん坊…キバナシャクナゲ
これぞ 夏花! ミヤマシオガマ
岩と共に生きる クモマナズナ
リーフパイのような葉っぱ チョウノスケソウ
花の競演が楽しめるのが 南八ケ岳の稜線
曇り空でも光沢のある白.‥ハクサンイチゲ
後ろ姿が素敵? ツクモグサ
力強さと愛嬌を備え持つ ウルップソウが好き
チョウノスケソウは花弁以外でも魅力的です
バイケイソウを見ると 大峯奥駈道を思い出します
八ケ岳東稜グラデーション
本当は前日に食べたものを載せたかった いつもの…(笑)