Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

旅の途中で スノーシューハイク

1月15日 長野県車山
停めるところと登るところを求めて、氷上の道を駐車場に向かいます。

今日はバディの誕生日。女神湖畔に宿をとり、日中はスノーシューハイクを計画。目指すは5年前の同時期にトレースを引いた八子ヶ峰。登山口はすずらん峠園地。ところが、近付くにつれ車道を歩く登山者の姿が見られます。ここは蓼科山の登山口にもなっており、週末は混雑することを現地で知りました。
車道を歩く選択はないため、下ったスキー場Pにて作戦会議。このゲレンデを登れば当初の目的地に着きますが、当然、ゲレンデ歩行は禁止。車山方面を調べてみると、スノーシューハイクの案内や山行レポがあり、とりあえず、車山高原スキー場に向かうも、最寄りの第1Pは満車。次の目的地、車山肩を目指したところ、途中にある富士見台から車山を目指す登山者を発見し、除雪された駐車場へ。地図を確認すれば、山頂へのルートは車山肩から伸びているだけで、ここからはありませんが、目前の緩斜面は拒絶をしていません。そして、その斜面より気になるのは、反対側の景色。富士山を中心にして左には八ヶ岳、右には南アルプスから中央アルプス、御嶽、乗鞍岳へと続く好展望。この景色を楽しみに来られる方も大勢居ることでしょう。
車道を横切ったところからトレースが伸び、ここから見える登山者は2組。時々、膝上程度まで沈み込みながら歩いています。気温 -7℃。今のところ風は穏やかで、陽射しもあることから、長袖ベース+長袖シャツ+フリースでスノーシューハイクの出発です。
凸凹の激しいトレースもスノーシューだと沈み込みは僅かで済みます。先行者との距離もどんどん縮まる中、自分達のペースで登ろうと、フリースを脱いでからトレースを外れました。とりあえず、今見えているピークに向かって直登し、自分達のトレースを引きます。固く締まって雪上に乗れる箇所もあれば、踏み抜いて腿まで埋まる箇所もありましたが、乾いた雪は纏わりつくことなく、次の一歩を出せます。何より、八ヶ岳から北アルプスまでの雪嶺に囲まれての山行が力強い一歩を導いてくれます。
八子ヶ峰のスノーシューハイクも展望を楽しめますが、駐車場から稜線までは樹林帯を歩く必要があり、このルートのようにいきなり加速する展望と出逢えたことは、満車で良かったと思えました。
標高が上がるにつれ、踏み抜く回数も減ったようで、私達も元のトレースに戻りました。薄曇りになり始めたここから陽の当たる峰々を望めば、一段と際立って見えます。見覚えがある車山肩からのルートと合流すれば、気象レーダー観測所のドームが、まるで雪だるまの頭のように山頂稜線から覗いています。その観測所の陰で風を避けての昼食。体感的には‐10℃を下回っているでしょうが、建物のお陰で一息つくことが出来ました。
潜れない鳥居が建つ車山神社に参拝し、向こう側を覗いてみると、そこはゲレンデトップとなっています。山頂を境にして、異なる世界がありました。
凍える手を暖めながらの下山開始。油断すると一気に指先は固まってしまいます。それでも風に悩まされないことはのんびりとした時間を過ごせ、山麓の町並みから一気にせり上がる南アルプスや富士山にも劣らない見事な裾野を広げる八ヶ岳を見ながらのまったりした時間が続きます。それら白銀の世界を遠い過去のように思いながら、車山スノーシューハイクに心を満たされる自分が居ました。
下山後は、身も心も温まったいつもの…。

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雪の富士見台は初めて…ここからスタートです
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本日一番の急登でした (笑)
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まずは 中央アルプス
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続きましては 槍穂高の北アルプス
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富士山を見ると 高揚する西の民
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広大な高原は 美しい雪原になりました
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新たなトレースは 私達の後ろに続きます
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青空でなくても 美しい光景
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移動する青空は 御嶽上空を 通過中…
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冬の北アルプスと言えば 鹿島槍ヶ岳 が思い浮かびます
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ビーナスラインは 八島高原まで…遠くは 乗鞍岳
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南アルプス北部の峰々…
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一部だけでも存在感…浅間山
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車山肩から八島湿原…遠くは 槍穂高から鹿島槍
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北から南まで 八ヶ岳を一望
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私達にとって この富士山が 基本形
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「天空のいやしろち」…車山神社
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小正月らしい参拝が出来ました
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参拝するのは 人間だけは なさそうです…(笑)
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さて 展望とともに 帰りましょう
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美ヶ原高原の向こうには「白馬三山」
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ホームから眺める富士とは 存在感が違います
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横岳から阿弥陀岳…南八の岩稜たち
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当初のルート「八子ヶ峰」と「北横岳」
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楽しい誕生日山行となりました
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自家製紅玉を使った 絶品のいつもの…
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(おまけ)また1年…

2022年初登りは「 雪の遠足」

1月5日 三重県竜ヶ岳
雲のない稜線に期待を膨らませながら、駐車場に向かいます。

至るところで、未だ、年末寒波の影響が見受けられ、駐車場に向かう国道も除雪された雪によって道幅が狭くなり、対向車に注意が必要でした。初登りは、藤原岳と竜ヶ岳のどちらにしようかと考え、晴れなら遠足尾根で竜ヶ岳。曇りなら天狗岩(藤原岳)へのスノーシューハイク。結果は晴れのち曇りで竜ヶ岳。ただし、緩い西高東低の気圧配置のため、風の影響はありそうです。降雪後、多くの方がこのコースを利用し、トレースは引かれていることから、足元はチェーンスパイク。そして、帰り道用としてスノーシューも用意しました。
冬の竜ヶ岳遠足尾根は今回で4回目。3回のうち1回はラッセル祭りでP964付近にて撤退。バンビー4で向かった晴天の1回は雪不足。残り1回は、登頂したものの視界不良の曇り空。駐車場から眺める青空と真っ白な頂に、今日こそはという思いで出発。
登山口への林道がこれほど雪に覆われているのは初めてで、稜線にも期待が持てます。このルートは元々登山道として地図に載っておらず、草原のような稜線歩きを楽しめることで、数年前から紹介されています。林業用として整備された道なのか、尾根までは急登が続くことから、登山口でチェーンスパイクを装着。付けなくても歩けるのでしょうが、安定感は確実に増します。
観望天気ポイントの岩山。稜線の先に続く山頂を望めば、「待っているよ」と招くように、その白い姿を私たちに届けます。急登は岩山を境に、前半と後半に分かれ、短い折り返しが続く後半を慌てずに登ることが終盤に向けてのポイント。稜線からは一気に積雪量が増え、トレースから一歩外れれば、膝上から腿まで埋まります。深いところでは腰まで隠れるトレース。出来上がってしまえば、ある意味、夏道より歩きやすいものの、これに至るまでは大勢の方のお陰です。その成果品を利用して、さほど労せずに、森林限界とも言える草原稜線の玄関に立つことが出来ました。
ここから遠足尾根が始まると言っても過言ではないでしょう。眼下には黄金に輝く伊勢湾とジオラマ的な濃尾平野。ホーム主峰「御在所岳」は厚い雲に覆われていますが、北部藤原岳などは晴れています。南北に連なる鈴鹿山脈は、独立峰のようにその峰々によって天候が変わります。一段下がった養老山地越しの空に連なる白き峰の中央アルプス。この時点ではまだ御嶽山を望めませんでしたが、下山時には、南アルプスとともに白く浮かび上がっていました。
壺足区間では足元の不安定さに苦労しつつ、周囲の景色に助けられながら進み、迎えるは金山尾根分岐直下の一枚バーン。山頂直下と双璧です。登り始めた中盤、突如として吹き始めた風。「強いなぁ~」と思った3度目の突風で、バディを横倒し。以前も頂上直下で倒されていましたが、まさしくこれが「竜の風」です。自分でさえ身体を持っていかれそうになったことから、瞬間的には20m近い風が吹いていたことでしょう。ここは風の通り道になっており、分岐まで進めば幾分楽になりましたが、今度は「風雲急を告げる」感じで青空と陽射しが消え、不穏な空模様。「今日も竜ヶ岳アルアルなのか…」と思いながらシロヤシオの森を抜ければ、岩山から遠く眺めた山頂が指呼の間です。
山頂に近付くと雪は薄くなり、竜の風がトレースを消します。登頂しても早々と下山されるため、貸し切りの山頂。そして、時同じくして陽射しも戻り始め、景色が踊り始めます。ホームの女王から新年の贈り物を頂きました。とは言え、長居は無用で下山開始。昼食後はスノーシューに履き替え、往きとは違う遠足気分を楽しみました。
始まったばかりの雪のホーム。残る3つのルートを歩いて、初めての完歩ができるかどうかは自分次第。
下山後は、残り僅かとなった新作でいつもの…。

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今日はこの空が続きますように…
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トレースに感謝しながらの登り始め
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さて 遠足尾根の玄関に立ちました
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雪原アートを楽しみながら…
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青空に向かって 登ります
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ホーム随一…展望稜線が続きます
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美しき雪の褶曲
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今は アセビ庭園も 冬ごもり
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金山尾根合流の核心部に向かって…
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青天より 斜面が躍ります
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「竜の風」は 痺れます(笑)
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陽射しがあってこその 霧氷の華やかさ
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今日の姿は 「雪の女王
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見どころ満載の中 最後の登りに向かいます
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あの向こう側を目指して 最後の登り
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2022年 よろしくお願いします
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帰りも楽しい 遠足尾根…前方は 藤原岳
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ホーム最高峰「御池岳」とテーブルランド
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次は いつ登るだろう…
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この景色とともに ランチタイム
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さて 新しいトレースを引いてみましょう
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山麓に伸びた重なる稜線は美しい
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冬の午後…早くも影が伸びます
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登頂の数だけ トレースが残ります
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まだまだ 竜の風は 通り過ぎていきます
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再会まで しばしのお別れです
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濃厚な頂に 時が止まる いつもの…(笑)

2021年 雪のホームで登り納め

12月28日 三重県入道ヶ岳
記録的な積雪により、今回も駐車場への道が核心部と思われます。

2021年 雪を踏んで終えようとホームを計画しますが、週末から続く寒波と28日の予報に行先が定まりません。概ね、ホームの冬ルートは5山。御在所岳本谷はエスケープがない。釈迦ヶ岳庵座谷はトレースがなく登頂出来そうにない。竜ヶ岳遠足尾根は稜線の風に負けそう。藤原岳天狗岩があるいなべ市はなだれ注意報発令中。鈴鹿セブン最南部の入道ヶ岳尾根ルートであれば、風の影響も最小限であり、曇り空でも雪山を楽しめ、何とか登頂出来るのではということになり、北尾根往復か北尾根~二本松尾根周回かは現地で判断しようと思います。
小雨降る中、車窓には厚い雲に覆われた稜線。近付くにつれ、薄っすらと白い山肌を見せ、小雨は雪へと変わります。入道ヶ岳の登山者用駐車場は椿大神社第3駐車場。私達はいつも林道を走った先にある堰堤広場まで車を走らせます。除雪されていない林道に2本の筋。一瞬、躊躇しましたが、先行車を信じて核心部を無事通過。二本松尾根ルートに向かうグループを見送りながらの支度中も雪は降り止まず、2021年登り納めは、アウターを羽織っての出発となりました。
今来た林道を数100m戻り、愛宕社参道が登山口になります。雪の重みで垂れ下がった枝を避けながら登る長い石段は標高差70m。一気に身体が温まります。参拝後、登山道と合流すれば、すでに一面の雪。ただし、雪の下に隠れた根っ子で足を滑らせる程度の積雪量。しかし標高を上げていくうちに、踝から膝下まで埋もれる箇所もあります。先行者(1名)の踏み跡だと思われるトレースに助けられ、10ヶ月振りの冬靴の重さにも次第に慣れてきました。
時折、手の支えが必要となる急登や急斜面のトラバースがあり、しっかりと踏み固められていないこのトレースでは危険と判断し、下山は二本松尾根ルートに決めました。二本松ルートは急坂の一本道が続くため、落石の注意は必要ですが、雪道では心配もなく、かえって安全ではないかと思えます。
通報ポイント5を過ぎたところにある避難小屋(現在、立入禁止)はこのルートの中間地点。ここを過ぎれば、開放的な尾根を進むことになり、今日のような展望のない日は冬の精霊を感じやすくなります。ポイント7を通過すれば、入道ヶ岳の代名詞「アセビトンネル」が現れ、その群落は、イヌツゲと合わせて「県の天然記念物」に指定されています。
時刻は正午前。ポイント9で山頂鳥居を確認。予報通りに青空が覗いてきました。今月上旬に訪ねた新道ルートの合流地点から風対策。北部へと続く稜線は雲に覆われたままで、ホームの蝶ヶ岳はその展望を許しませんが、伊勢湾方面は開ける時もあり、陽射しを受ける回数も増えてきました。
前回引き返した北の頭。今日は二本松尾根で下山するため、山頂に向かいます。途中、井戸谷を登ってくる登山者を見かけ、ノートレースの雪山を楽しんで居られるのか苦しんで居られるのかは、その方のみぞ知る。アセビトンネルを抜ければ、空と一体になった鳥居。ここから奥宮を参拝させていただきました。
思っていた通り二本松尾根ルートは急坂が続く箇所もありましたが、手を使うほどでもなく、トレースもしっかりとありました。雪の場合はこのルートの往復が一般的だと感じながら下山。
今シーズン初の雪山をホームで始められ、存分に楽しむことが出来ました。今年は2020年より山行回数が戻って23回。数年前の6割程度ですが、それは時代の変化もあるでしょう。ただ共通しているのは、安全登山を続けること。来年も無理なく楽しんで、山の思い出を増やしていければと思います。
下山後は、お礼参りに時間がかかり、1日遅れでいつもの…(笑)

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21-22 雪山シーズンが 始まりました
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冬靴の重みと共に 上ります
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振り返ったトレースは 雪山の記録
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陽射しのない世界を 良しと思えるのも雪山
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何気ない登り坂で緊張するのも雪山
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光のない明るさを感じる 冬枯れの森
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ホームにも感じる 精霊の息吹
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迷宮への入口?…アセビトンネル
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初めての展望は 山頂鳥居でした
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前回と衣替えした「雲母峰」がお出迎え
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自分にとって ブルーアイは雪山の守護神
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これから成長するのか 衰退するのか…
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今日も スポットライトが 山肌を浮かび上がらせます
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2021年 お世話になりました
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一歩踏み違えば このとおり…
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美しきホームの冬稜線
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山麓の景色を眺められて「感謝」
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以前ならこの谷を下っただろう…井戸谷
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地平線を感じる 入道ヶ岳の山頂
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白き県境尾根と奥宮
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この景色と出逢えるホームに再び「感謝」
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山頂から始まる 二本松尾根ルートの下り
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トレースはしっかりとありました…
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今シーズンは どんな出逢いが 待っているのでしょうか
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唯一無二のお店で いつもの…(笑)

2021年…ラストテントライフ

12月10~11日 奈良県釈迦ヶ岳
落石が散らばる核心部の林道を抜けて登山口の駐車場に向かいます。

12月10日
2021年も残り3週間となり、今年最後のテント泊山行。関西のテント場としてはホームになった大峰山脈弥山は、今日から国道が冬季通行止めとなり、大峯奥駈道で繋がる「釈迦ヶ岳」でラストテントライフ。
釈迦ヶ岳は8年前の6月以来の2度目。但し、前回は視界と天候が悪く、今では絶対に行かない状況。山頂直下の千丈平で幕営予定を奥駈道にある深仙宿避難小屋へ急遽変更し、周囲の景色を全く見ないままの下山。と言うことで、今回の山行はある意味初めて訪ねる感覚です。
登山口へは自宅から約3時間。登山口から幕営地の千丈平へはCT約 2時間。千丈平から山頂は15分。関西ならではのテント泊山行。行程は釈迦ヶ岳から南西に延びるなだらかな笹原の尾根を進み、登山口と千丈平(1,670m)の標高差は約400m。釈迦ヶ岳(1,799.9m)に向かう最短ルートとなります。今回はレナード彗星の撮影を目的のひとつにし、夜明け前の山頂で過ごす1時間30分が正念場。
笹原の尾根に向かう支尾根から登山スタート。樹間にはこれから歩く稜線が見えていますが、釈迦ヶ岳の姿はありません。短い梯子が2ヶ所あるものの、よく整備された道は歩きやすく、気温の上がった今日は早くも汗が流れ落ちます。
稜線に乗り、まずは旭登山口分岐点を目指します。午前中は前線の影響で雲が多いとの予報でしたが、時折、陽が射す登山日和で、次々と笹原に現れる自然の曲線美を進むと、開けた先には対照的な鋭角の頂。奥駈道 35番目の靡(なびき)「大日岳」です。前回は、この頂に挑戦してみたい気持ちはありましたが、今は眺めるだけで満足です。稜線上の小高いピークに立つと、大日岳から続く稜線、すなわち熊野から吉野へと続く奥駈道が見え、こんもりと一段高くなっている「釈迦ヶ岳」とご対面です。
釈迦ヶ岳の山頂には、高さ3.6mの釈迦如来立像があり、遠く弥山からも判ります。ここは、奥駈道の中では「釈迦入滅の地」とされ「釈迦如来の住む他界」とみなされているそうです。
分岐点を過ぎたところで、鞍部に建つ「深仙宿避難小屋」と再会。続いて、次の目的地「古田の森」を過ぎれば、千丈平と釈迦ヶ岳が目の前に広がり、最後の登りに取り付きます。ここまで2名の方とすれ違っており、駐車台数から差し引けば、この先には誰も居ません。
深仙宿に向かう分岐点から登山道を外れた奥に幕営適地があります。「かしく水」と言われる水場は、更に釈迦ヶ岳へ登った右側。丁度、鹿の親子が登山道を横切って、こちらを見ていましたが、人馴れしているのか、警戒する様子もなく、ゆっくりと立ち去って行きました。
昼食をとり、休憩している間に2組の方が通り過ぎて行きました。その2組目の方が下山するのを見送り、青空が広がり始めた午後2時、私達も山頂に向かいます。日帰り山行だと正念場になる奥駈道までの登り坂。視界がぐんぐんと広がってくるのが判ります。合流点から更に笹原を登れば、偽ピーク。もう山頂はそこだと思っても、如来像が見えません。平坦になり岩が露出する木の陰に黒みがかった緑青色の「釈迦牟尼仏」の姿。まずは参拝。安全登山を祈願します。見つめるその眼差しに安堵を覚えるのは自分だけではないでしょう。
これまでは向こうに立って眺めていた弥山から始まる360度の大展望。どの方向も尾根と谷が連なる山深い景色。1300年以上の前から修験者達は何を思い、何をお祈りしてきたのでしょうか。
明日の登頂をお祈りし、山頂を後にしました。テントに戻り、くつろぎタイム。ラジオから流れてくるのは、何とFM徳島。しかも、ノイズなし…。
奈良県の日没時刻は16時46分。次第に森がオレンジ色に染まり始めます。一旦姿を隠した太陽は、山の稜線にゆっくりと身体を預け、16時53分 最後の一遍を私達に送り届けました。
明日にかけての予報は晴れマークひとつ。ところが、夕食後に空を見上げると雲が覆っています。しばらくして再び見上げると、上弦の月が照らす雲ひとつない星空。安堵するも束の間、上空を吹く風の音が聞こえ始め、それに伴って星空は消え、やがて森もミルキーウェイに包まれ始めます。きっと朝には回復しているだろうと思いつつも、一向に止まない風を聞きながら、眠りにつきました。

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自然の曲線美は 場所を選ばない
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ようやく 目にすることが出来ました…大日岳
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このようなピークを いくつも越えていきます
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ピークの数だけ 向こうの世界があります
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「笹原になったのは いつのことだろう」と 思う道
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振り返ってみれば 新しい世界観
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大峯奥駈道…鞍部には「深仙宿避難小屋」
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過ごした時間だけ 前に進めます
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「古田の森」を過ぎたこの場所が 素敵だった
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ふと足を止めて 振り返りたくなります
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警戒しているような いないような…
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自然の区画割が 数多くありました…千丈平
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関西最高峰「八経ヶ岳
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遥か彼方へと 峰々が続く 西方
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ご尊顔を拝しましては恐悦至極に存じます
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真新しい文字が 光っていました
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雲が降り立つ 午後のひと時
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南面には 大日岳から続く 大峯奥駈道南部
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北面に対峙するは「八経ヶ岳と弥山」
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台座の連弁には 聖宝ノ宿跡「理源大師」の姿
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山頂から眺めても 素敵な道
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森が セピアに染まっていく
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苔は金色の野となり 一日を終えます
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幽玄の世界に包まれる 千丈平
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西方浄土阿弥陀仏の世界観

12月11日
目覚める度に聞こえる風の音。しかも、風は息を付かずに吹いています。幸いにも上空を通り過ぎているため、幕営地に影響はありません。ただ、時折ボタッとフライシートを叩く音が、雨なのか、雪なのかは判断がつきません。同じ山域とは言え、風も穏やかで晴れる予報は20km北にある山上ヶ岳熊野灘により近いこの山は、気象条件が大きく変わるのかも知れません。とにかく、夜明けまでの回復を信じます。
アラーム音が5時を知らせます。風の勢いは変わらず、山における気象条件の厳しさを感じます。念のために外の様子を窺いますが、ミルキーウェイな世界。残念ながら、彗星の撮影は諦めざるを得ません。次の期待はご来光。1時間後にアラームをセットするも、やはり、状況は変わらずで「駄目だこりゃ」。(自宅に帰って考え直せば、もしかしたら幕営地は雲海ゾーンに入っており、山頂は晴れていたかも知れない。でも、そのリスクを負うほど自分は若くない…)
日の出時刻は6時55分。外に出てみると、雪は降っておらず、霧氷もなし。ただ、フライシートは氷結していました。稜線を覆う雲は激しく流れているのがここからも判ります。やがて雲間に広がる薄っすらとした青空。東の空は夜が明けたことを知らせる光彩を放ち、雲が取れるのも時間の問題でしょう。
朝食後、片付けの準備をしながら、気になるのは山頂からの景色。今朝の状況から、きっと谷間に雲海が見えていることでしょう。すでに青空は広がり、周囲の稜線も見え始めてきました。山頂方面も雲が取れている様子です。
今回の山行は体力的に余裕があり、山頂までの15分を登るのは、気持ちの問題。今年の2月 編笠山で感じた出来事から、まだ、気力を失うわけにはいかず、バディに了解を得て、1人で出発。9時前でしたが、すでに何人かの登山者が山頂に向かっていました。
出合までの途中で振り返ってみれば、昨日歩いた笹原稜線越しに谷間を埋める雲海。思っていた通りの世界がそこにありました。更に出合を過ぎたところから、昨日は気付かなかった熊野灘が、朝陽を浴びて輝いています。その手前、幾つも連なる雲海の谷間は天上界へ続く階段にも思え、黄金に輝く他界がその先に広がっているようで、正しく、釈迦ヶ岳の世界観。彗星や御来光は残念でしたが、この景色のためだと思えば、納得も出来ます。
真っ青な空一面の山頂には、10名近い方。それぞれがそれぞれに時間を過ごされています。春まで登れない八経ヶ岳や弥山は、どの頂よりも白く、大台ヶ原山の大蛇嵓は望遠レンズを通してその岩壁の険しさを知ります。同じ山でも時間や天候が異なれば別の世界。山と一期一会。
山頂を後にし、テントに戻る時にも何人かの登山者とすれ違い、アクセスの不便さを差し引いても、快晴の週末は賑わうものです。それは下山途中も続き、笹原の稜線歩きを皆さんが楽しんでいる様子でした。
さて、テントに戻って撤収開始。結局、私達の貸し切りでしたが、深夜、バディの所へは訪問者(多分、小動物)があったようです。静かな幕営地は望むところですが、登山口には「熊注意」の看板。登山道とは違うリスクがあります。
暖かい陽射しを受けながら、緩やかな笹原稜線を下ります。熊野灘は黄金色に輝き続け、現実世界に戻る私達を見送っているかのようです。振り返って眺める釈迦ヶ岳如来像の立つ山頂はここから見えないことも登ることで初めて知ります。角度によって様相が変わる大日岳。鋭角な姿に戻れば、笹原稜線ともお別れの時。巨木ゾーンを過ぎ、今歩いてきた稜線を樹間に見れば、駐車場の登山口に到着。
最後の階段を降りきるまで慎重に歩いて、今回の山行は終了。あとは、20km近い核心部の林道を抜け、国道へ合流することです。
下山後は、家庭的なお店でいつもの…(笑)

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こんなはずではなかった朝…
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今はこの世界を 楽しみます
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ミルキーウェイが 解き放たれようとしています
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どうやら 夜が明けたようです
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今は大地を 彩っていました
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雲海へ続く 笹原の一本道
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遥か彼方につづく 黄金の世界
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天を衝く錫杖は 大峯奥駈道の頂
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御来光に代わるこの展望に…感謝
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山散歩ルートも来春までお預け…大台ヶ原
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今冬初の霧氷でした
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いつまでも 眺めていたい世界
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次は 御来光を拝ませてください
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さて バディのところへ 帰ります
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また 来年もお世話になろうと思いました
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山が連なる景色は 大峰山系の世界
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熊野灘と共に 下山します
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立ち枯れと冬枯れが混在する「聖なる森」
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前回と違い 存分に頂を 拝めました
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帰りは 巻き道で…古田の森 1,618m
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少し露出を補正して…
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この道は 釈迦ヶ岳の代名詞になります
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駐車場が見えてくると 笹道も終わりが近い
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素晴らしい稜線に あらためて感謝
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冬の味覚を素材にした いつもの…(笑)

冬山に向けて…山散歩

12月4日 三重県入道ヶ岳(北の頭)
紅葉が彩る山麓の谷を抜けて、先にある駐車場に向かいます。

鈴鹿セブンマウンテンのひとつ「入道ヶ岳」。七山の中で最も南に位置し、標高は唯一1,000mに届かず906m。しかし、標高の低さはCTが短いことになり、最も身近に感じる山でもあります。一般的には椿大神社(つばきおおかみのやしろ)からのルートを組み合わせて計画することが多いですが、今日は、北から南下する最短の新道ルートで向かいます。
起点はセブンマウンテン「鎌ヶ岳」のカズラ谷ルートと同じく「宮妻峡駐車場」。8時30分頃に到着しましたが、すでに10数台が停まっていました。恐らく、鎌ヶ岳に向かう方でしょう。週末とは言え、紅葉シーズンの終わった曇天。人気の高さが窺い知れます
6年振りの新道ルート。樹林帯を抜けた後の展望の良さが印象に残っています。
すぐに林道と分かれ、まずはいきなりの核心部「渡渉」。ひとつ目は難なく通過できますが、ふたつ目が問題でした。3ヶ所ほど渡れそうな場所があるものの、どれも足場が足りません。結局、15分ほど掛けて河原の石を積み上げ、足場を完成。前回、積み上げた記憶がなかったため、帰宅してから写真を見ると張られたロープに沿って大きな石の上を渡っていました。増水すれば、私達が作った足場は跡形もなくなっていることでしょう。
大きなケルンの横から登り坂となり、1から始まる案内標識が目安になります。ここは登り始めから広葉樹であり、今は冬枯れの森になっています。そんな中、僅かに残る紅葉が目を惹いていました。しばらくガレた沢に注意しながら登り、ポイント3からはアブラチャン並木の直線登路。滑りやすい足元に注意しながら一気に高度を上げます。ポイント4からは背後にホームのツートップ主峰「御在所岳」と「鎌ヶ岳」が姿を現し、一息つきます。アセビトンネルを過ぎればポイント5。左側に伊勢湾を望みながらポイント6となり、続いて痩せ尾根を注意しながら通過すれば、入道ヶ岳らしい「笹原とアセビの一本道」が頂上稜線の近いことを教えてくれます。
宮妻林道の分岐点がポイント7。ここからこのルートのハイライトでしょう。今日は北部の稜線が雲に隠れていますが、連なる「鎌ヶ岳・御在所岳釈迦ヶ岳」の光景は圧巻です。海側の視界は良好で、知多半島越しに三河湾渥美半島もはっきりと見えました。
ポイント8・9をすっ飛ばして10。椿大神社の北尾根ルートと合流です。多くの方がこのルートを利用するため、ここからは登山者の声が聞こえてきました。すぐに「北の頭」と呼ばれるピークに到着。標高は910mと入道ヶ岳山頂より高くなっています。そしてここは、山頂と最高点915m「椿大神社奥社」の分岐点。
今日の目的はホームの蝶ヶ岳と呼ぶ山頂稜線の展望と冬山に向けて身体を慣らすことであったため、青空の見えない山頂等には興味はなく、「北の頭」を折り返し地点としました。
アセビの陰で昼食休憩される方が増えてくる中、再び、笹原の一本道へと戻り、ホームの峰々を楽しみつつ、今年の冬山に思いを馳せます。先ほどまでと打って変わって強くなってきた風。寒風に身体を慣らすのも目的のひとつですが、「避けられるものなら避ける」のが冬山の必須条件。
風の来ないアセビのトンネルで昼食。足元には紅葉の絨毯が敷き詰められていました。
今日、すれ違ったのは4組。秋から冬へと移り変わる静かな山散歩。冬枯れの道がやがて白く染まり、霧氷の花が咲く頃に再びホームを訪れることが出来ればと思いながら下山。核心部は自分達の作った置石で難なく通過。すれ違った方も利用していただけたでしょうか。
下山後は、定番のお店で新作のいつもの…。

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今年最後の紅葉に見送られて出発
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手前の丸石から向こう岸へと続く 置石
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この頃は 山肌を照らす陽射しがありました
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陽射しがなくとも 美しいものは美しい
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このルートの名物になるでしょう…アブラチャン並木
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人工林と自然林 そして 秋から冬へのグラデーション
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主峰「御在所岳」…今冬も ルート本谷は 歩けるだろうか…
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イブネと反対方向から…ホームの槍「鎌ヶ岳」
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ルートは違えども 入道ヶ岳と言えば 「アセビのトンネル」
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海が近いのも お薦めポイント
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入道ヶ岳随一の展望ルートではないでしょうか
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冬支度を始めた ホームの峰々
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体は風を表します…
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笹原道から振り返って「雲母峰(きららみね)」
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こんなにはっきりは初めて…知多・渥美半島
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美しき アセビ庭園の曲線
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数多くの行先が交差する「北の頭」
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山頂を 目指さないのが 山散歩
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歩きたくなる道が 奥社へと続きます
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見えてさえいれば 高曇りでも 構いません…鎌尾根~鎌ヶ岳、御在所岳釈迦ヶ岳
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天使のライトが 山肌を照らします
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今年は 山の秋を楽しめました
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笹原から冬枯れの森へ 帰ります
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帰り道…入道ヶ岳(左:山頂 右:北の頭)と鎌ヶ岳
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季節外れのテントウムシが 飾る いつもの…

ホームの奥座敷…テントライフ

11月12~13日 滋賀県イブネ
雨の上がりと共に予定を遅らせて、青空が見え始めた駐車場に向かいます。

11月12日
先週、訪ねたブナ清水。そのルート上から頂上台地の山容が良く見えていました。ホームにて、北の御池岳と共にテーブルランドと言われる「イブネ」。私達の住む県側から見て主稜線の向こう側にあることからか「鈴鹿奥座敷」と呼ばれています。ホームの滋賀県側は滅多に計画をしませんが、唯一歩くのがこのルート。先週と同様、根の平峠に向かう旧千種街道。
初めてイブネを訪ねたのは8年前の4月。その時は、三重県側の武平峠から入り、雨乞岳を経由して向かう計画でした。ところが、林業用のテープにつられて道を間違え、廃ルートで御在所岳に登ってしまいます。結局、当初と反対回りで向かうことになり、イブネまでは7時間半もかかってしまいました。三重県側から入る場合は主稜線を越えねばならず、また、雨乞岳周辺の沢は遭難者も多いことから、その後は滋賀県側ルートになりました。
出発の朝、予報とおりの雨。ただし、9時頃には上がる見込みで、予定を2時間ずらして10時に出発し、4年半ぶりの奥座敷を目指します。(滋賀県側からだと、前座敷か?)
杉峠の直下までは渋川に沿って歩きます。駐車地から眺めていた川を最後は一跨ぎで横切り、その源流域で水を補給する予定。
まずは桜地蔵で安全祈願をし、イワナの泳ぐ姿を橋の上から覗けば、登山道らしくなってきます。小さな沢にかかる木橋を渡ること数度。眼下に清流を眺めながら道幅の狭い箇所を通過することも数度。危険なルートと表現することはありませんが、ひとつ間違えれば大怪我に繋がり、渋川に滑落すれば発見も遅れます。そして、高巻きのトラバース道は人によっては怖いと思うことでしょう。
鈴鹿アルアルのひとつとして「一般道だからすべてが安全」とは思わないことです。
ゆっくりと標高を上げる中で、紅葉帯に入りました。先週は黄色が目立ったホーム。今日は赤系でした。巨木並木を過ぎれば、いよいよ川幅は狭くなり、流れも勢いを増します。落ち葉のトラバース道を過ぎると水場に到着しますが、何と、枯れていました。やむなく5分ほど戻り、先ほど跨いだ川で補給。一応これは想定内。
この期に及んで5kg加算されたザックの重みをひしひしと感じながら杉峠に到着。先週歩いた県境尾根と再会です。ここで街道から離れて杉峠ノ頭、佐目峠を経由して、イブネに向かいます。樹間に見るイブネの登坂は高低差を感じますが、周囲の景色に助けられ、ほどなくイブネワールドの玄関に立っています。以前は表札代わりに「イブネ」と書かれた木札のかかった木がありました。鈴鹿10座に数えられた今は、少し進んだ先にりっぱな山名標識が立ち、その美しき苔の世界は数多くの山雑誌で紹介されています。
4年半振りに歩いた旧千種街道は、記憶とは定かではないことを思い知りました。それは頂上台地も同じことで、何となく道の変化を感じ、帰宅後に過去の写真と見比べて驚きました。頂上台地を覆う苔はなく、荒れ地のように地面が露出し、笹枯れの跡や地被類が目立っています。前回、台地の中央を突っ切って歩いた道は苔に覆われ、ようやく歩ける程度の幅となり、その先はアセビに消えていました。苔の台地はここ数年に生まれ、今なお成長中だと言えます。
30数年前は隣の雨乞岳と同様、笹に覆われていた「イブネ」。ホームを襲った笹枯れ現象で今の姿になり、私たちに頂上台地を見せています。それはイブネだけに限らず、入道ヶ岳、竜ヶ岳、藤原岳、御池岳。今となっては当たり前の稜線も身の丈を超える笹に覆われていました。20年以上前に藤原岳に登った時は、小屋から展望丘まで続く笹ブッシュに何度も顔を打たれたことです。(笑)
そして今回、アセビから顔を出す笹を多く見ると、やがて、過去の姿に戻るのかも知れません。未来を見ることは出来ませんが、過去を知り、現在のイブネや稜線を歩けることは、貴重な出逢いだと知ります。
所々にある笹枯れの名残地に幕営し、本日の予定は終了。今回もホーム主峰を眺める好適地。見渡す限りの頂上台地にテントは見当たらず、あとはホームの山々を見ながら過ごす時間。
夕方、雲に隠れたまま陽が沈み、四日市方面の街並みにぽつぽつと灯り見え始めます。気温は2℃ですが、鍋の準備をしていると、それほどの寒さは感じません。主峰、御在所岳の頭上高くにある月が宝石のように輝く木星と競演し、やがて地上の銀河の光芒が稜線を浮かび上がらせます。聞こえてくるのはテントを揺らす風。上弦の月が照らす頂上台地にて、ホームの山が守ってくれる秋の夜長のテントライフ。

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しばらく続く林道歩きで 準備運動
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今は千草(ちくさ)と書きます…千種街道
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先週より紅葉帯は下がったことでしょう
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紅葉の先にも「紅葉」
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ここは 街道随一の紅葉でした
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この橋に名前を付けるなら「もみじ橋」でしょう
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大シデ…枯れ木となっても その存在は大きい
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古木がこの街道を見守る…シデ並木
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水場手前のトラバース道は 落葉に注意…
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1本になっても その名を残します…杉峠
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先週はあの県境尾根から…
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比良山系に琵琶湖、近江富士滋賀県側の展望
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14時でも 長い影…「秋の日は釣瓶落とし
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ようやく イブネと向き合えました
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最も鈴鹿の槍らしい展望地…「鎌ヶ岳と鎌尾根」
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イブネワールドの予告編
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頂上台地「イブネ」の南玄関
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アセビから 笹が顔を出し始めてきました
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苔の海に浮かぶは 御在所岳と鎌ヶ岳
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苔の台地を見守るは ホームの薬師「雨乞岳」
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明日 初めて訪ねる「チョウシ」方面
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このアセビを 見届けたいと思う
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テントライフに欠かせない いつもの…
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春は 比良山系に陽が沈みました
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ほんのりと 山肌を染める 夕暮れ
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向こうから 眺められているような 気もします…
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静かに時間が流れた イブネワールド
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ここまで届きそうな 街の灯り

11月13日
午前2時。星空を確認しようとファスナーを下せば、霜になった結露が落ち、首をすくめます。散りばめられた星空は、満天に輝くとは言えず、街の灯りが撮影を遮ります。
午前5時20分。まだ、夜明けには早く。午前5時45分、活動開始。
頂上台地は凍てつき、白い衣を纏っているよう…。この冷たい空気を久しぶりに身体へ取り込み、ホームの朝と同化します。次第に明けてくる東の空。暗闇が燃えつくされるグラデーション。
主稜線の向こうから上る太陽を、少しでも早く拝むため、イブネ北端まで移動すると、何と、1張りのテント。まだ活動されていないようなので、静かに御来光の時を待ちます。
夜明けを知らせる紅帯が両手を伸ばし、浮かび上がる峰々は南アルプス。その右側を追いかければ、真っ直ぐな頂上と両側に広がる裾野。ほんの一部しか見えていなくとも、その存在が「富士山」であることを示していました。
御在所岳の中道ルートにある富士見岩。イブネからも見えるだろうと思っても、見えるかどうかは運次第。
太陽が上がれば、それらは暁光とともに消え、イブネワールドが目覚め始めます。一期一会の言葉どおり、時と共に変化する世界。もう戻ることのない今を、少しでも多く感じようとしますが、気持ちが浮つきがちです。
雲ひとつなかった空は、朝食を終える頃には太陽が隠れるほどの雲。そんな中、クラシ、チョウシ、熊ノ戸平に向けて、朝の散歩。
週末とは言え、まだ、登山者は着きません。正に、テント泊した者だけが過ごせる時間。イブネ北端からクラシに続く冬枯れの林へ。ここもまた、美しい変化を遂げている場所。シンボルツリーは今も健在で、その先に見える苔の道は、ホームで最も美しいと思う道。
今日はクラシの標識まで向かいました。特に展望がよい訳ではありませんが、崖とも言えるその切れ落ちた稜線は、頂上台地の生い立ちを物語っているように思えます。
シンボルツリーまで戻り、初めて訪ねるチョウシを目指します。地形図ではこの辺りに登山道はありません。とは言え、目的地が見えていることと踏み跡があるため、迷うことはないでしょう。ただし、チョウシがどこにあるかを知っていることが前提です…。
次の目的地は「熊ノ戸平」。滋賀県側での「イブネ」の呼び方であると、何かで読みました。ここは別名「イブネのヘソ」。チョウシとイブネに囲まれた小さなピーク。そのピーク標識を探すのも一興ですが、そこに向かう時に横切る頂上清流や日本庭園の中を歩くように大小の石が配置された場所はイブネと異なる趣。
今回の散歩で新たに感じた進化するイブネの多様性と美しさ。次回までの変化が楽しみです。そして、これからの景色は訪ねる登山者以上に、この自然の成長に委ねられていることでしょう。
テントに戻る頃には登山者を見かけるようになり、その数は増えていきます。時間的に滋賀県側からの入山者と思われ、駐車地の混雑も予測されます。
何組かのグループが行き来する中、撤収を終え、20時間余り過ごしたイブネともお別れです。ホームであること、散策範囲が限られていること、平日だったこと。時間を大切に過ごせたテントライフでした。
大勢の人が寛ぐ頂上台地は、肩を並べた御在所岳と鎌ヶ岳のツートップを唯一眺められ、鈴鹿奥座敷と呼ぶに相応しい場所。
真正面に雨乞岳を望みながら下るイブネ坂。苔の道がどんどんなくなっていくのは、イブネワールドが遠のいていく証です。今日も佐目峠から上り返した杉峠ノ頭で昼食。陽射しが背中を暖め、冬枯れの林は休息の好適地。樹間に見えるイブネはもう遠い世界になりました。杉峠から再び旧千種街道を下れば、昨日とは違う景色が目を楽しませ、落ち葉を踏む音がやがて乾いていく駐車地へ戻りました。
下山後は、滋賀県の名店で秋を感じるいつもの…

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朝ぼらけに 高さや場所は関係ありません
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街の灯りが朝陽に変わります…木曽三川
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南アルプスから追いかけて…富士山
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山の端が 黄金色に染まっていきました…イブネ北端
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夜明けを迎える準備は 整いました
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イブネに届く 一日のはじまり
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さて 朝のお散歩に出かけましょう
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8年半前のイブネ…左の黒っぽい筋が 現在の道
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イブネ北端からクラシへは 一旦 下ります
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4年半前…林の手前の苔はまだまだ成長過程
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僕にとって 自然の曲線美は イブネの代名詞
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頂上台地を振り返ります
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唯一無二の世界が イブネワールド
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関西の富士山も素敵です…三上山(近江富士
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チョウシへの道…並木が特徴
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頂上清流は佐目子谷へ…熊ノ戸
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石、苔、アセビ…自然が生む日本庭園…熊ノ戸平
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クラシのシンボルツリーは 人間味溢れる美しさ
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鹿の苔道と名付けました
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まるでここは「苔の惑星」
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熊ノ戸平からイブネへは 苔光る道
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遠くに近江平野を従えて…イブネから熊ノ戸平
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自然区画の幕営適地
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鎌ヶ岳の先には 伊勢国の海
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また 次の機会まで…正面は 雨乞岳
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イブネ坂を振り返ります
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ここから見る鎌尾根が 最も美しい
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往き帰り 案内板に 足が止まります
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午後の陽射しが 染める道
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余韻を楽しむ時間だった いつもの…

秋が奏でるホーム...周回とその向こう側

11月6日 三重県ブナ清水
賑わいを見せるホームの峰々、その駐車場のひとつに向かいます。

毎年、GW頃からホームは蛭休み。そして、再開する頃に迎える行楽シーズンの人混みを避け、気付けばホームの紅葉は山麓辺りまで下りています。今年の5月、久しぶりに訪ねたブナ清水ルートは新緑が美しく、「ホームの楽園」と名付けました。知名度が上がってきたとは言え、まだ訪ねる人は少なく、ブナやカエデが着飾る頃に訪ねてみたいと思い、天気と休みが重なった今回の山行計画。
ここの核心部は登山口の駐車場。午前7時、100台を超える駐車場のほぼ最終組で停めることが出来、あとは安全登山を心掛けるだけです。
この朝明大駐車場は人気の高い釈迦ヶ岳のほか、国見岳、ハライド、イブネなど、多くの起点になっています。私達の予定は、旧千種街道で根の平峠を目指し、その手前からブナ清水を経由し、ヤシオ尾根、県境尾根で根の平峠へ。そこから、滋賀県側に下り、「鈴鹿上高地」と言われる場所にある大カツラを最終目的地とする「周回&ピストン」。
まずは、車道を歩いて羽鳥峰峠の分岐から朝明川にかかる橋を渡り、旧千種街道で伊勢谷を遡ります。オオルリの声が響いた林は、今は川のせせらぎが響く静寂の林。秋から冬へと眠りにつく準備をしているかのようです。何度か徒渉をくり返し、山肌が迫ってきた頃、空を覆う木々に変化が見えてきました。
黄、橙、赤…。すでに葉を落とした木や赤茶けた木もあります。そして、常緑樹がそれらと競合するかのように濃く、深い緑を発します。森が奏でる秋のシンフォニー…第1章。
短い直登の先に明るく光っているのが見えるとブナ清水の分岐点。ここから先が本日のメインストリート。落ち葉の絨毯に照らされて見頃を迎えた木々が私たちを囲みます。朝明水系は登るにつれてその川幅をどんどんと細め、やがて、一歩で跨ぐことになり、その出発点が「ブナ清水」。大きな岩の奥から流れ出すその滴は、多くの命を育んでいることでしょう。
意外なことに、分岐後は登山者を見かけず、あの駐車場の喧騒が嘘のような静けさ。そんな場所をアップするのはどうかと思う反面、さほど影響力もないから大丈夫と自己弁護。
さやさやと微かな音をたてて落ちていく葉。ただ歩くだけでなく、この世界と同化する楽しみ。ホームの楽園は、静かに秋を過ごす時間と音を与えてくれました…第2章。
ヤシオ尾根とは県境尾根からハライドへ伸びる支尾根。その尾根に向かう途中、アルペンムードが漂う釈迦ヶ岳を真正面に捉える展望地。稜線から山肌へ下りる木々のパッチワーク。重なり合う緑も美しい伊勢谷。出発点の駐車場が眼下に小さく見え、思った以上に登ってきたことを感じます。
県境尾根に合流するとすれ違う登山者も増えましたが、駐車台数から思えば少ない感じです。最後の分岐点「根の平峠」まで戻り、ここからは初めて通る道でタケ谷出合を目指します。
県境尾根と呼ぶように、鈴鹿の主稜線は三重県滋賀県に跨っています。急崖な三重県側と違い、緩やかに近江平野へと続く滋賀県側。「鈴鹿の山と谷」というシリーズ本があるように谷が入り組み、必然的に、沢の多い鈴鹿山脈 。ホームとは言え、奥深くなる滋賀県側は、その魅力と合わせてリスクも背負うことから、県境尾根の向こう側は滅多に歩きません。
事前に大カツラの場所を調べ、ここだと思う脇道から神崎川沿いの台地状になった林を進みます。膝下まで埋まる落ち葉道を過ぎ、少し高台から開けたブナ林を見下ろせば、「鈴鹿上高地」と呼ばれるのも合点がいきます。最近はここで幕営するレポも見かけ、今日も3張。そして、帰り道でも何組かの幕営組とすれ違いました。目指す大カツラは更に進んだ台地にあり、圧倒的な迫力は他の木々を寄せ付けない威厳さえ感じました。その大カツラを背に、川の畔でのランチタイム。時々、対岸の道を歩く方の話し声が聞こえますが、こちらは貸切状態。見上げれば奥座敷イブネに続く稜線。県境尾根との狭間に出来たこの森と川は、ホームの多様さと奥深さを五感で楽しむ世界でした…第3章。
根の平峠まで戻り、ブナ清水の分岐点で周回は終了。秋の陽は短く、昼下がりの陽射しでも夕方のように柔らかい発色。林を抜けた陽が照らす木々は、より一層に色付き、山行のフィナーレを飾ってくれました…第4章。
下山後は、新規開拓した小さなお店でいつもの…。

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アクセスの良さは 混雑と表裏一体…朝明駐車場
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旧街道を行く山歩きは 景色と歴史を楽しめる
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街道から離れ ブナ清水ワールドへ
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谷間の変化も楽しみのひとつ
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新緑 紅葉 落葉…繰り返される時間
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頭上を飾る 陽の当らない道
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錦の森は 静かな朝が 良いと思う
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紅の森でした…ブナ清水
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今日は 紅葉カラーの バンビーズ
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次からは ここで 時間を過ごせばいいか…
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点を繋げば線になる ホームの紅葉…釈迦ヶ岳
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明るく染まる ヤシオ尾根に続く道
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巨大な箱庭…伊勢谷
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県境尾根からの奥座敷「イブネ」
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ヤシオ尾根北斜面を照らす「黄色の雪洞」
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県境尾根の向こう側へ…根の平峠
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足元にも 秋はありました
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穏やかな道が 果てない道に感じる 滋賀県
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神崎川…標高650mの谷間を流れる ホームの深淵
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この森のシンボルツリーは 圧倒的な力系 (笑)
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秋が奏でるホームの「ランチタイム」
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ブナ清水と 対照的な森でした
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美しいホームの秋に 感謝
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午後の陽を 楽しみながらの下山
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紅葉にも負けない 色とりどりで いつもの…(笑)