Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

クリンソウ咲く 伊賀の霊山

5月10日 三重県霊山
昨年1月以来の林道を抜け、駐車場に向かいます。

「伊賀の高尾山」と言ったイメージがある「霊山」。霊山と言う言葉からは、富士山、立山、白山の日本三霊山を初め、神仏などを祀っている神聖な山を思い浮かべます。この山は山名そのものが「霊山」であり、由来は今も山麓に建つ「霊山寺」。このお寺、元は山頂にあった巨大寺院で、現在は「霊山山頂遺跡」として三重県の史跡に指定されています。
最近は自宅周辺のハイキング程度に限られていたため、クリンソウの開花情報とともに、久しぶりの山行。とは言え、山頂までCT1時間、標高差400m程の低山トレッキング。登山口になる「霊山寺」までは自宅から1時間弱。昼前の登頂を予定しており、自宅出発は8時30分。日の出前に出発するホーム鈴鹿と違い、のんびりとしたものです。
駐車場には数台の車。ここものんびりとしています。ウグイスの囀りを聞きながら準備を始め、最初の石段を上ったところで、早速、クリンソウのお出迎え。白、ピンク、紫のグラーデーション。大好きなハクサンコザクラを想像させるその花は、同時に北沢峠の群生地を思い起こさせます。
霊山寺の境内に入ると、まず目に入るのは大きなイチョウの木。葉の上に実を結ぶオハツキイチョウは、県の天然記念物に指定されています。その横を通り抜け、石仏の並ぶ薄暗い参道から本来の登山道に合流した地点が1合目。この後、200m毎に標柱があります。
次第に傾斜がきつくなる階段を抜ければ「櫻地堂」。所々で広葉樹が頭上を照らしますが、基本、針葉樹林帯を進みます。今日の伊賀地域の最高気温は25℃と予想され、熱中症対策が必要かと思っていたところ、陽射しを覆う針葉樹に時折吹く風はまさに「薫風」。低山とは言え、市街地とは別世界の空気感です。
7合目辺りから広葉樹となり、8合目を過ぎれば、展望の開けるところもあります。藤が終わり、躑躅もそろそろ見納め。まだ新緑が映える中、花の季節は移ろいでいます。
稜線直下で数株のクリンソウ。冬、凍結していた箇所はぬかるんでおり、クリンソウの環境に適しているのでしょう。山頂と南峰をつなぐ縦走路と田代湖へ下る交差点。まずは山頂を目指します。9合目を過ぎたところから始まる階段は、慣れない方にとって、試練かも知れません。ただし、その後には、素晴らしい眺望が待つ、山頂遺跡に到着です。
伊賀盆地を始め、青山高原、霞みながらも近江富士比良山地と言った展望は、低山らしい身近なもの。「大人のジオラマ」と言える景色はいつまで見ていても飽きません。
少し早めの昼食後、本日の目的地「クリンソウの群生地」に向かいます。クリンソウは数段に花が重なることで、五重塔等の屋根にある「九輪」と似ていることが由来とされています。まだ開花の多くは1段目でしたが、陽射しを受けて輝くピンク色の花が風に揺れる様子は春らしく、生命力を感じるものでした。いつまでも、この自生地が続くことを願う限りです。
前回訪ねなかった大平池は人造池とは言え、豊かな森に囲まれた静かな場所。訪ねる人も居らず、野生動物の息遣いが聞こえてきそうです。そして、田代湖から源流体験ルートに入ってすぐ、20m程先に体長1m弱の四肢動物が走って行く姿を見送ります。茶毛であったものの、その姿は熊を連想させ、元来た道に戻り、別ルートで山頂方面へ向かうことにしました。
久しぶりの山行と言える今回。標高は関係なく、その一期一会の出逢いを楽しむことが出来ました。
下山後は、夕食前で控え目にいつもの…(笑)


輝く様は まるで 春の宝石箱

まずは 参拝から始まります

石仏に添えられた 九輪塔

おらが山とは一味違う 階段路

陽射しを遮る針葉樹は いい時もあります

頭上を照らすは 山椒の若葉

今は 登山者を見守る 六地堂

県指定の天然記念物 アセビ群生地

この時期ならでは 緑のグラデーション

登山道にも 数株咲いていました

レンゲツツジのブーケは 稜線の交差点

至るところで鳴いていました…キビタキ

大人のジオラマ…低山ならではの景色です

先週は向こう側から…青山高原

平日の登山は 静かですね

この株は まだ成長途中なのでしょう

轍の横に咲くのは 今年からだそうです

多くの陰影も また美しい

人造池とは思えません…大平池

北沢峠の群生地を思い出させます

ここだけ 紫の絨毯が 浮かび上がっていました

光のシャワーが 次の世代を育てます

いい出逢いと思い出に 感謝です

竹の紅葉も 春を代表する風物詩

今日は この気分で いつもの…(笑)

地元で霧氷まつり

2月1日 奈良県三峰山
目の前に連なる霧氷の山稜を眺めながら、未だ、雪の残る駐車場に向かいます。

天候と空き日が一致せず、朔日山行となった2023年。今日も午後から地元で予定があり、午前中山行に選んだのは、関西では霧氷の山として知られる「三峰山」1,235m。
三重県奈良県の境に連なる稜線。その稜線上にある3つの頂が名前の由来になったとか、ならなかったとか…。そして、この稜線の南側は、九州東部から関東へ横断する世界第一級の断層「中央構造線」が並走しています。三重県側から登るには、ぐるっと迂回しなければならないため、三重県民ながら利用する登山口は奈良県御杖村。また、期間限定ですが、週末には霧氷バスが1日1本運行され、先週末は、駐車場と共にとても賑わっていたようです。
奈良県側の起点は「みつえ青少年旅行村」。ここから不動滝、登り尾、新道峠の3つのルートが伸びています。林道歩きから不動滝を経由し、直登とトラバースを繰り返す不動滝ルート。名前のとおり尾根を登り続ける登り尾ルート。この2つのルートは五本杉避難小屋で合流し、また、稜線歩きが楽しめる新道峠からのルートとは三畝峠で合流。これらを組み合わせて楽しむ訳ですが、我が家は不動滝~山頂~登り尾の周回ルートが定番です。
さすがに、平日の午前8時では10台程度。思ったほど晴れ間が広がらない中、駐車場を出発し、林道に入れば、自然に圧雪された雪道。何度か冬に訪ねていますが、これほどの積雪は初めてで、先月末から続く寒波の影響は今も残っていました。すでに駐車場でチェーンスパイクを付けているため、平坦な林道は無雪期より歩きやすくなります。
40分ほど続く林道歩きが準備運動。身体が温まってきた頃に登山道に入り、やがて結界の向こうに不動堂の祠が見えます。いつものように安全登山を祈願して先を進めば、このルートの名前になっている「不動滝」が黒々とした岩肌を雪の斜面に浮かび上がらせ、氷を纏ったその姿は「冬の不動明王」。
ここからしばらくは、神末川支流不動川に沿ってつづら折りとトラバースを繰り返し、右上方から稜線が近付いてきたと思えば、五本杉避難小屋に到着。頭上を覆う霧氷の針葉樹。陽が当たっているようですが、森の奥深い地上へは届いてきません。
いつもは小屋を過ぎた辺りで感じる気温の低下はなく、稜線を通り過ぎる風も吹いていません。そのため、冷気が森に漂い、霧氷の精霊となって現れます。針葉樹から広葉樹へと変わるにつれ、薄っすらと霞みがかった青空が木々に向こうに広がり、陽を浴びた霧氷の煌めきは、鬱蒼としたこれまでの世界が変わる場所。このルートで2番目に好きなところです。
新道峠からのルートと合流する三畝峠。ここまで来ると冬枯れの森に変わります。この先で山頂と八丁平の分岐点になり、いつものように右へと進みます。アセビの雪トンネルを抜けると、最も好きな場所「八丁平」。山頂南側斜面に広がる平原は、白と黒の世界となり、雪原に影を落とす木々の濃淡もまた美しい情景です。今日のように風がない八丁平は初めてで、寒いながらも春を思わせるような陽射しを受けながら、のんびりと時間を過ごしました。
ここから山頂へはひと登り。積雪で一段高くなったように思える山頂の円形広場は貸し切りで、遠く伊賀市を望み、また、室生火山群からおらが山「尼ヶ岳」まで、身近な山稜の展望に地元の山を肌で感じます。
自宅を7時に出発して、昼過ぎには駐車場に戻れる手軽さながら、しっかりと雪を楽しめる三峰山。春になれば、シロヤシオの花が新緑とともに登山道を飾り、八丁平もまた今日とは違う世界になります。おらが山と別の意味で大切にしたい山です。
下山後は、伊賀牛ランチからのいつもの…。


車窓一杯に広がる三峰山

この林道歩きから 始まります

不動滝ルートへの門番です

ここだけは 山岳信仰の世界になります

21m からの音は 邪気を払います…不動滝

流れ落ちるものもあれば 留まるものもあります

やがて 一条の光が 霧氷に届きますように…

しばらくは 冬の森とお付き合い

切株は アートな世界へと 導いていました

やがて 森に光が射しこみます

ここにも 精霊が 住んでいました

束の間に降り注ぐ 光のシャワー

霧氷まつり開催中

さて メインストリートの始まり…八丁平

この世界が 三峰山と言っても 過言ではない

八丁平は 朝の光が丁度良い

折り重なる峰の向こうは 万葉の山「二上山

三重県側の展望は 台高山脈

今日は 穏やかな 八丁平でした

今年も 安全登山で バンビーズ

特徴ある山稜が 山頂展望を飾ります

思った以上の積雪

室生火山群からおらが山、青山高原…地元を代表する峰々

さて 気持ちを新たに 下山開始

冬の午後は チョコレートで いつもの…

2023年初登りは 関西バンビー3

1月1日 長野県車山
諏訪大社で初詣のあと、青空の広がる駐車場に向かいます。

2022年1月、急遽予定を変更して向かった車山。今回は準備万端で2023年の登り始め。
昨年は積雪が多く、「車山肩」の駐車スペースが限られていたため、富士見台Pからスノーシューを履いて向かった車山。今回は余裕があることをレポで確認し、更に夏道ルートにはトレースもあることから、スノーシューを用意したものの、チェーンスパイクがあれば大丈夫でしょう。
関西の山仲間4組でアプリを利用した情報共有をしており、山行を登録し、都合が付けば参加もOKとしています。そして、年末に登録した車山山行に京都の山友が参加し、関西バンビー3で登り始めとなりました。
まずは、大門街道を北上し、白樺湖に向かいます。そこからビーナスラインに入りますが、ここから所々で凍結箇所が出始めます。特に反対車線の下りの方が凍結箇所は多くありました。多くの車が向かう先はスキー場で、ここから先は全面凍結の冬道ドライブ。とは言え、急坂がないため、自分のような不慣れな者でも走ることが出来ます。
前回の起点「富士見台」。積雪量は少なく、とてもスノーシューハイクが出来る状況ではありません。そこからしばらくして、今回の起点「車山肩」。駐車場に入り、道路に沿って停めた車列はほぼ満車状態でした。
気温は-2℃。風は数m。久しぶり感じる山の冬に、身体の記憶が自然と蘇ります。
駐車場から見える登山道の状況からスノーシューは不用。念のため、チェーンスパイクをザックに入れますが、使うことはないでしょう。駐車場を出れば、すぐに登山道。広く踏み固められたトレースは、夏道よりも歩きやすくなります。
この道を歩いたのは6年前の夏。霧ヶ峰と言えば思い出される「ニッコウキスゲ」が咲く中、ミルキーウェイの周遊散策でした。今日は打って変わっての青空ですが、北アルプス方面は厚い雲に覆われ、その稜線を望むことは出来ません。雲は南に向かうほどに移り変わり、中央アルプスや南アルプス、そして、富士山と青空の範囲が広がります。
山麓は初詣の参拝者で賑わい、暖かい陽射しを受けて「良いお正月だね」と話す様子が窺えます。そしてこちらも今のところは、穏やかなスノーハイク。下草が顔を出す程度の積雪量でも、踏まれていない道端を歩けば膝下まで埋まる雪山。
やがて、目の前には南アルプスからの富士山に八ヶ岳連峰。そして「糸魚川-静岡構造線」に開けた町並。高低差を感じる展望がこのルートの魅了だと思うのは、自分だけでしょうか。
雲一つない空よりも、適度に漂う方が雪山にはよく似合います。まるで空に向かうような浮遊感を覚えながら「天空のいやろしち」車山に登頂。ここを選んだ理由は展望とアクセスの良さに加え、天空の御柱「車山神社」。山天予報から2番詣でになりましたが、山の神は私達を受け入れ、2023年の門出を祝ってくれました。この社は隣接するスキー場からも参拝者が訪れ、1,900mに建つ神社ならでの光景です。
2020年12月に出来た車山展望テラスで正面に富士山を見ながら、地元で買った年始の和菓子を食べます。時折、風が通り抜けていきますが、安全圏であれば、それも冬山と楽しく感じます。
八ヶ岳の稜線は雲に隠れ、冬山の厳しい世界になっていることでしょう。2023年の幕開けと同時に、今冬シーズンの始まりとなりました。どんな1年になるかは後からついてきますが、まずはいつものように安全登山の継続。更に、無理のない行動計画になることでしょう。2024年の元旦も「去年はいい年だった」と思えるように過ごして行きたいと思いながら、山頂を後にしました。
下山後は、元旦が故のお店でいつもの…(笑)


4年振りに見る 八ヶ岳からの初日の出

初詣は 諏訪大社上社 前宮

昂る気持ちを落ち着かせながらの ビーナスライン

さて 2023年 初登り

道があるって 有難いことです

心地よい 冬山の道

何気ない風景に 冬山の厳しさを思い出す

昨年の道程と較べれば ここは散歩道

展望の良さはピカイチです

中央アルプスを眺めるのが お気に入り

最近は 歩いた稜線と頂を 遠くから眺める

元日に富士山を見ると 有難く感じる「関西人」(笑)

これはほんの一部の「パノラマ」です

目指す道しるべは 意外と回り道でした

今日の天気は 夏道から外れたくなる

稜線の向こうにある 別世界

煌めく世界に浮かぶは 南アルプスの面々

2023年 初登頂「明けましておめでとうございます」…関西バンビー3

富士山に向かって 参詣

「天空のいやろしち」…今年も安全登山が 出来ますように

迎春…「干支どら」と「干支 卯」

濃厚なチョコあんを洋風生地で焼き上げた焼き菓子…干支 卯

では また…

展望のない日は登らない 関西バンビー3

何度でも振り返る 車山山頂

「痛い 痛い」と笑いながら云う…

2023年は 良い幕開けとなりました

帰り道も楽しい 冬の車山

年中無休のお店で いつもの…(笑)

[おまけ] 関東風ぜんざいは初でした…身曾岐神社

2022年 登り納めは 雪のおらが山

12月30日 三重県尼ヶ岳
住宅地からの下り坂で観望天気をしながら、4年振りの登り納めをする駐車場へ向かいます。

最も登っている山が伊賀富士「尼ヶ岳」。通称「おらが山」。登る理由を考えてみれば、自宅から30分のアクセス。往復2時間弱の周回ルート。山頂から眺める景色。標高差を補う階段。静かに山と向き合えること等々、おらが山と呼ぶだけあって数多く上げることが出来ます。
その中で最も気に入っているのは、日々の生活で眺める頂と山頂から望む自分の住む町。これが尼ヶ岳を身近に感じさせ、おらが山と言わせる所以でしょう。
さて、クリスマス寒波以来山頂付近は白く見える中、選んだ靴はトレランシューズ。駄目だったら戻ってくるのもありかと思いながら、今年5回目の駐車場は今日も誰も居ませんでした。
気温は2℃。いつもは長袖で出発しますが、今日はフリースが脱げないほど、冷え込んでいます。しばらく続く林道沿いにも雪が残っており、山道が凍結していないことを願いながら薄暗い林へと入っていき、朝陽が照らし始めた幹に、少しばかりの暖をもらいます。
春、ミソサザイの鳴く谷は、せせらぎが聞こえてくるばかり。7月、オオルリの若鳥を見かけた場所を過ぎれば、富士見峠ルートとの分岐、周回ルートの起点になります。ここから林道を離れ、緩やかに登っていきます。
7月、郭公の鳴き声が響く朝。その姿はシルエットでしか望めず、いつか、写真に収めてみたいと思うのも、ここを訪ねる理由のひとつでしょう。道半ばの桜峠分岐点を過ぎると、目の前に現れるは第1階段。
直登ルート、もうひとつの起点です。
第2階段の終了点は支尾根。地形図を見ればはっきりと表れています。この辺りから登山道にも雪が残り始めました。地形図では、750mラインの第3階段から第4階段終了点の850mラインまではほぼ直線になっていますが、第3階段の終了点から第4階段へは直角に曲がる印象。第4階段は自然林と人工林を分ける道。ここから踏面が白くなります。積雪は2~3㎝、多いところでも5㎝程度でしょうか。冬枯れの道は明るく、ゲートと呼ぶ2本の木を抜ければ、両方が自然林になり、木々越しの冬空が待ってくれています。そんな中、足を止めて振り返ってみれば、青山高原の風車群が梢の間から見えます。昔と比べれば変わってしまった景色でも、自分にとっては変わらない景色。
雪のためにゆっくりと歩いていることから、今日は呼吸が乱れません。一気に第5階段へと向かいます。地形図ではここだけが表されており、さすが「天にも昇る階段」です。
ここでも振り返ってみれば、山並みの向こうに広がる周辺の町。地元の山に登っていることを気付かせくれます。積雪は踝を越え、靴の中に雪が入り込まないよう道を選びます。そして、今日も天使が出迎えてくれた後、青空を背景にまあるい山頂が目の前に現れます。
いい感じに浮かんだ雲。視界はまずまずで西の遠くにダイヤモンドトレイルの二上山、近くに俱留尊山。そこから南へ目を移せば、関西のマッターホルン「高見山」から伊勢の槍ヶ岳「局ヶ岳」。そして、その中間には前回登った「大洞山」。これまで幾度となく見た景色ですが、登った後に見るとそこには別の景色が広がります。
風の影響が受けない南斜面は、冬の陽射しを受けてポッカポカ。晴れた冬山ならではの山頂です。誰も居ない山頂ベンチで住む町を眺める。当たり前の光景でも、山は同じ景色を見せず「一期一会」。数多く登っているおらが山だからこそ強く感じます。
2022年の登山回数は25回。その中にはハイキング風も含まれ、数年前の月3ペースと比べれば明らかに下降線。年齢的なこともあり、これから上昇ラインに戻すことはありませんが「自分の登りたい山を、登れる時に登る」。2023年以降も「量より質」で息長く山と関わりを持っていければと思います。
下山後は、帰り道に寄った地元のお気に入り店で いつもの…。


このアプローチ景色は 初めてかも知れない

地元の山を表現する 1枚

来年も オオルリは 鳴いてくれるだろうか

尼ヶ岳にやってきたと思える橋…起点 その2

起点 その3…第1階段

支尾根を目指して…第2階段

雪を踏む音が 懐かしい…第3階段

ゲートの向こうに広がる 冬景色…第4階段

どちら様でしょうか…

この景色も 初めてでした

冬枯れの林は どこでも 美しい

木漏れ日が 足を止めさせる

正に「天にも昇る階段」…第5階段

青空が そこまで 近付いてきました

今日の天使は 暖かい

おらが山 Best3に入る 美しさ

感謝を込めて 登頂タッチ

南斜面は 晩秋の装い…局ヶ岳~大洞山

遠くに見る 我が町…おらが山

Snow Peak に乾杯と感謝

多くの頂きを眺める 西側展望

来年も 安全登山で

下りの第1歩は この段差から…

ハードルコース の始まりです

2022年 ラスト いつもの…(笑)

地元の山で 冬トレーニング

12月16日 三重県大洞山
平日の静かな朝、急坂の集落を抜けて駐車場に向かいます。

住宅地を下る道から見えるのは、おらが山と呼ぶ伊賀富士「尼ヶ岳」。そのすぐ右隣に頂を覗かせるのが「大洞山」。尼ヶ岳とともに室生火山群に属する死火山。雄岳(1,013m)と雌岳(984.8m)から成り、地形図では三角点のある雌岳が大洞山と記されています。山麓にある金峯山寺真福院を訪れる修験者が持つ法螺貝に似ていることから大洞山と名付けられたそうですが、住宅地からは尼ヶ岳と同様、円錐形に見えます。この山が賑わうのは春。とは言っても、それは山麓。真福院の参道にある桜並木は「三多気の桜」として、国の名勝地に指定されています。
地元から眺めれば、すぐ隣にある山も、アクセスが異なれば時間は倍となり、訪ねてみようと思いながら数年が経ちました。ようやく冬らしい寒波が列島を覆った平日の休み。軽く山散歩ができればと思っての登山開始です。
真福院へは参拝したことがあり、山門に登る石段に聳え立つケヤキとスギは圧倒的な力を私達に与え、誰もが手を添えたくなります。山門を抜ければ、静かな佇まいを見せる本堂が山の斜面を利用した高台に建ち、まずは安全登山を祈願。
地元低山アルアルの急坂林道で始まり、東海自然歩道の案内板が建つ分岐点に到着。ちなみに東海自然歩道とは、八王子と箕面を結ぶ全長1,697.2mの自然歩道です。そこからは登山道らしくなり、冬枯れの緩やかハイキングルートの様相が続き、再び、林道と合流した箇所が大洞山登山口。ここから、このルートの代名詞、石段の急登が続く人工林を進みます。上空を過ぎる風の唸り声を聞きながら、石段区間を何度か過ぎ、広葉樹が見えてくると山頂稜線。左側にはいつも西側から眺める倶留尊山、古光山の山並が続き、右側には尼ヶ岳や微かに伊勢湾の海岸線が望めます。
思ったとおりの強風は10mを超え、体感気温は⁻5℃程度。今シーズン 初バラクラバです。前方には地元の町並がこれから向かう雄岳越しに望め、また、眼下に広がる集落は正に巨大ジオラマ。低山の楽しみが溢れる山頂ですが、風に押されるようにして後にします。50mほど下がってからの登り返し。雌岳が壁となっているのか、風の受ける回数が減りました。ススキの穂が揺れる先に山頂標識が見え、本日の2座目に登頂です。この角度で見る尼ヶ岳は初めてで、とても新鮮です。本家の富士山と同様、円錐形でありながらも見る位置によって表情を変える姿は「伊賀富士」の名に相応しいものです。
次の目的地は折り返し地点の「倉骨峠」。雌岳は石段の直登でしたが、雄岳の下りは乾燥道の急降下でした。林道と交差する倉骨峠の手前に帰りの分岐点があるにも関わらず、林道が並走した地点から再び登り返し。地図を確認するとP894 四ノ峰の存在を忘れていました ^^; 四ノ峰を過ぎ、何となく道がざわついていると思いつつ、分岐点がないまま林道に合流。再び、地図を確認すると尾根をそのまま直進したようで、このまま林道経由で倉骨峠を目指すことにしました。
正規のルートに戻り分岐点からは本日もうひとつの目的「苔むした石畳」。目の前に現れた光景は、石畳だけでなく、火山活動で噴出した大洞石に苔がつき、そこだけが苔色に染まったように見えました。それが2㎞近くに及ぶトラバース道に点在します。苔で有名な北八の森と雰囲気は全く異なりますが、人工と自然が交じり合った独自の苔世界がここにはありました。
大洞山登山と東海自然歩道を利用した周回コース。本日すれ違った登山者はゼロで、意外とこれは珍しく、これまでに1回しかありません。そんな静かな山行でしたが、冬の風を思い出させてくれたことから、トレーニングにはなったと思います。
下山後は、帰宅途中にある地元のお店でいつもの… (笑)


まずは 老木の門を抜けて

序盤の階段は まさに 準備運動

さて 始まり 始まり...

人工林をひたすら 登り続けます

ぽっかりと空いた 見返り広場

西側に広がる 曽爾の峰々…山頂稜線

木々越しの雄岳…見た目よりも近い

南西方向には 伊勢の槍「局ヶ岳(つぼねがたけ)」

山頂手前はススキの散歩道でした

おらが山を眼下に見る 雄岳山頂

歩いた分だけ 俱留尊山が後方に

そして前方には 地元の町…

今冬 初の霜柱

乾燥した登山道は 滑りやすかった

縦走感がある 「四ノ峰」の文字

前半とは打って変わって 苔むした石畳

古人は どのように行き来していたのでしょうか

この時期だから望める 大洞山(雌岳)

時々 賑わっていました

正に 苔の絨毯 … 歴史を感じます

冬枯れの森は 苔とともに…

そして 私達は おらが山とともに…

人工林を迎えれば 山行も終盤

帰り道 西側から見上げる 大洞山

冬の午後 早くも影が伸びる中で いつもの…(笑)

秋のテントライフは バンビー3

11月11~12日 滋賀県イブネ
朝の通勤渋滞を抜け、待ち合わせ場所に向かいます。

11月11日
京都、安曇野在住の山友お二方と私達で作る「バンビー4」。私達だけだと「バンビーズ」、京都の方と出かける場合は「関西バンビー3」、安曇野の方だと単に「バンビー3」がマイルール。
先月、テント泊山行の話を受け、浮かんだ幕営地は3ヶ所。その中から、紅葉シーズンを迎える鈴鹿奥座敷「イブネ」を選びました。
昨年もこの時期に訪ねたイブネは、今回で5回目。今では「苔の楽園」やら「苔の大地」などと紹介されていますが、9年前はホームに広がった笹枯れ現象からの移行時期で「楽園」と言うよりは「荒野」。
滋賀県三重県を結ぶ旧千種街道がアプローチ。今は林道となった街道はやがて針葉樹と広葉樹が交差する登山道へと変わっていきます。眼下を流れる渋川は愛知川に名を変え、近畿の水がめと呼ばれる琵琶湖に流れますが、その源頭部が今回の水場。また、空間を埋める対岸の山肌は、これから魅せてくれる世界に期待を膨らませます。
分岐点となる杉峠までは、旧千種街道の史跡が紹介されています。最初に現れるのは「善住坊の隠れ岩」。続いて「桜地蔵」、「古屋敷跡」…。久しぶりに交わす山友との会話に、それぞれの案内板がいつもより早くやってくるように感じます。
その山友と初めて会ったのは8年前の春。3年間の停滞時期があったものの、山に観光に旅にと多くの時間を過ごしてきました。初幕営は2014年5月 蝶ヶ岳山頂。翌年も徳澤で幕営したものの、それ以降、山行スタイルが異なることから、私達のテントを訪ねることはあっても、共に張ることはありませんでした。今回の山行は時間の経過とともに、山のベクトルが近付いて来た証かもしれません。
昨年名付けた「もみじ橋」。今年も街道一番の賑やかさでした。全山燃えるような紅葉とは違い、針葉樹や立ち枯れ木が混じった低山の紅葉。色付きも、紅、赤、橙、黄に茶色系と規則性のない風景に、自然とカメラを向けてしまいます。
この滋賀県側(甲津畑)ルートは、緩やかに登って迎えた後半に、僅かな急登区間を迎えます。また、杉峠で旧千種街道から外れ、登った先にある杉峠ノ頭から望む頂上台地は、まだ遠いと感じますが、佐目峠を過ぎて視界が広がれば、いつの間にか眼前に出迎えてくれます。核心部と言える、2段の急登を抜けると、イブネの玄関。僕にとっての支配人が出迎えてくれます。
レコで見ていたように、登山道にはガイドロープが張られ、昨年幕営した適地もロープの内側。今年は撮影の関係からイブネ北端付近で張れればと思っていたため、ロープ圏外となりましたが、これもやむを得ないのでしょう。
ひと休みし、山友と2人で散策。お決まりのクラシ、チョウシ、熊の平の周回ルート。苔が好きだと言う山友はなかなか次へ進めず、それを待つ自分もいつもと違う過ごし方。そして、バディはラジオを聴きながら、時折、小さな私達を眺める「三人三様のテントライフ」。
「おじさん2人で歩く世界じゃなく、若い2人が似合うよね」
「若い2人にこの世界の本質は見えるかな?もっと歳を重ねないと」
「それだと、リアル過ぎねぇ?」
山友と交わす会話が楽しい …。
陽の傾きとともに苔や木々がオレンジ色に染まり始め、テントならではの時間帯がやってきます。一日の終わりを迎えるイブネの世界。それは、やがてマジックアワーの西空からオレンジ色の月が昇る東の空へと続きます。
名古屋方面の夜景が最もよく見えるイブネ北端。反対側の琵琶湖を望む夜景は滋賀県側の特徴。伊勢方面も含み、三方に夜景を望むイブネは鈴鹿奥座敷に相応しく、現代社会を遠くに眺めながら静かに時が流れていきました。


さて どんな秋が待っているのでしょう

徐々に山へ入っていく 甲津畑ルート

木の窓に 射し入る景色が 眩しい

往年の世界が感じる「もみじ橋」

並べると迫力がありました…蓮如上人御旧跡

美しきホーム の 秋

行き交うは 近江商人から登山者へ

里にはない 山の秋

イブネ坂を前に スモールワールド

今年もやってきた 頂上台地

散歩の途中で イブネ北端を見上げます

近くて遠いは 主峰「御在所岳

矢印が示すは クラシへの道

クラシ派とイブネ派に 分かれるのではないでしょうか…

夜の帳が 近付く気配

いつも哀愁を感じます

夕暮れが似合う 熊ノ戸平

緑から橙の世界へ

時が見える 夕暮れの テントライフ

「遠き山に 陽は落ちて」

シチューの美味しい季節になりました

滋賀の灯りが 浮かび上がってきました

苔に限らず これも イブネワールド

夜は 足元から光が届きます

「星は空を 散りばめぬ」

11月12日
街の灯りが静かに感じる午前4時前。まだ、東の空に明ける兆しはありません。地上を照らす月明かり。昼間と全く違う世界は果てしなく感じます。何枚かの写真を撮った後、タイムラプス動画の撮影に入り、再び、シュラフに戻ったのは、小1時間後でした。
何時も期待しながら下ろすフライシートのファスナー。今朝は期待に反した霞み調子の頂上台地。昨年、ここから見た富士山やアルプスの展望は次の機会になりそうです。
日の出時刻は6時19分。その20分前、ご来光地点の東寄りに放射状の帯が浮かび上がってきました。「天使のはしご」で知られる「薄明光線」と言ってしまえば科学的。日の出が近付くとともに消えているその帯は、やはり「マジックアワー」。
移り行く空。通り過ぎる風。聞こえてくる鳥や鹿の声。
自分を中心にして取り巻く世界が、身体に入ってくるような感覚を楽しめるテントライフ。それには標高や名前は必要なく、自分がお気に入りの場所であればOK 。そんな世界を山友と共有出来て良かったと思える、夜明け前の出来事でした。
雲をお供に浮かび上がった太陽。弱い光が次第に輝きを増す様子は、いつ見ても力強く、一日の始まりを感じます。セットしておいたタイムラプス動画を確認すれば、まだ使い慣れていないため、後半に課題を残し、完全版は次回へと持ち越されました。
山友は昨日訪ねたクラシ方面に向かい、自分は頂上台地を散策。そして、バディはテントで過ごす、今朝も三人三様のテントライフ。
ホオジロが賑やかに食事タイムを過ごす中、こちらも朝食準備。ちょうど、朝陽を浴びた東雨乞岳の登山道がシルエットで浮かぶのが、苔の向こうに見えています。その時々で変化する何気ない風景。頂上台地のイブネだからこそ味わえる世界です。
テントを片付け、出発しようとしたところへ、本日一番乗りのトレラン2人。この後「一反ぼうそう」まで、多くと登山者とすれ違うことになります。
朝露に濡れた苔に陽が当たると、一段とその生命力は増し、大きな波動を感じます。そんな世界を二分するガイドロープに囲まれた登山道。成長著しいアセビから顔を出す笹や苔に消えていく旧道。10年後の頂上台地の姿は予想出来ませんが、数多くの写真を撮り、今日と言う日が振り返られるようにと思いました。
11月半ばとは思えない朝からの陽射しを受け、雨乞岳や鎌ヶ岳などは、薄青く霞んでいます。佐目峠へと続くアセビ帯を前にして振り返れば、イブネ坂がお別れを告げています。この辺りにも、苔が広がっていますが、数年前に較べれば、随分と成長してきました。やがて、頂上台地のような景観となるのでしょうか。
杉峠から再び、旧千草街道に戻ります。ここからは木漏れ日が射す程度の道。陽の当たる色付いた葉は、ひと際、輝きを増し、多くの木々は黒子になります。そんな飽きることのない帰り道には、ここでテントライフを過ごしても優雅だと思える場所が多くありました。
やがて道は終盤に差し掛かります。このルートを通る度に思うことは、その殆どにおいて安全なルートだと言える中、下山後半に現れるロープの張られたトラバース道や木橋の危険性。逸る気持ちを抑えて、慎重に通り過ごさねば、楽しい思い出は生まれません。GW以来のテント泊山行は思っている以上に疲れが残っていると自戒し、林道に出るまでは「注意一秒、怪我一生」。
下山後は、旅の思い出を語れるお店でいつもの…。


星に見守られた バンビー3

最も好きな時間帯…あけぼの

浮かぶ姿は やはり ホームの主峰

一期一会に「感謝」

2022年11月12日の朝は記憶の一頁

時間が逆戻りしたような 朝

正に 鈴鹿奥座敷

ひと月早く クリスマスがやってきました

光の苔山脈

昨年の幕営地 次は 消えているかも…

今年も 笹とアセビの成長を 感じました

この世界を 独り占めできる テントライフ

朝の光が 優しく包みます

お揃いのテントが バンビー3

朝食に大忙しでした…ホオジロ

さて 次の目的地へ …

足取り軽く 頂上台地を進みます

この景色が イブネワールド です

佐目峠を境に 世界が変わります

また 会いましょう

帰りには帰りの秋が待っています

1本でも主張します

新旧揃い踏みの景色が好き…大シデ

今年もホームの秋を楽しめました

総合的に核心部

秋の変化が楽しめる いつもの…(笑)

アートなハイキング 最終章

10月29日 奈良県洞川温泉
アートなハイクを完結すべく、3年振りになる修験道の麓へ向かいます。

「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」。奈良県南・東部に位置する奥大和の3つのエリアで開催され、残るは天川エリア。このエリアのテーマは「水」。修験道の祖・役行者が開いた修験道発祥の地「山上ヶ岳」。その登山口には女人結界門があり、今なお女人禁制を続ける山域。その麓に位置する天川村洞川温泉を流れる山上川は村内で「天ノ川」と名前を変え、やがて熊野川となり、太平洋へと続きます。また、昭和の時代にタイムスリップしたような温泉街は、夕暮れになれば提灯が灯り、誰もがノスタルジックな気分になることでしょう。そんな自然と文化に溢れたこのエリアに、現代アートがどのように生きるのか、期待が膨らみます。
今日は駐車場の都合により、出発点に向かうことから始まりました。と言うことで、最初の作品が実は最後の作品になります。「杓文字」と名付けられた作品。その背景には、この村が生きてきた証がありました。温泉街を歩いていると目に付くのは「陀羅尼助」と書かれた看板。修験者の秘薬とされた和漢薬であり、胃腸の調子が悪い場合の万能薬とされ、私もよくお世話になりました。
そして、出発点。今日も「千本のひげ根」が待っています。この3週で随分と秋は深まり、色付いた木々が山肌を飾ります。特に次の作品がある「龍泉寺」境内は、水行場の楓が色付き、水面にも映していました。
これまでの曽爾、吉野エリアの経験で作品の展示方法は学んできましたが、ここでも2つ探せず、次へ進むと、プレートだけで作品が見当たらず、QRコードで作品を紹介するデジタル系。何かすっきりしない気分で迎えた洞川自然研究路にある天川で一番長いつり橋「かりがね橋」。全長120m、高さ50mからの景色に雲散霧消しました。次の作品はQRコードで音楽を流すデジタル系。これも今風の表現なのでしょう。
コースは探求路から山上川沿いへと移り、世界観も一変します。「行場」として開いた洞窟や澄み切った水面。正に、自然と芸術を体験する祭典MIND TRAIL。河原で休憩をしていると、背後から聞こえる鳥の声。振り返ってみれば「カワガラス」。捕食しているのか、勢いよく流れる川を物ともせず、時々、飛び込んでは再び姿を現していました。
湧水群のひとつ「ごろごろ水」の採水場を頭上に臨む橋を渡った所がルート唯一の交差点。本来ならば、直進して女人結界門へと進み、山上川の右岸から「かじかの滝」を経由しここへ戻ってきます。今日は時間の都合上、滝付近の作品はここから往復し、その先の作品へは車で向かうことにします。
スリップ注意の看板が建つかじかの滝への道。川面に立っているかのように間近に見ることが出来るこの滝は、ますます色付いてくることでしょう。折り返し地点は、杉林に立つ鏡に書かれた「人」の文字。文字と共に映し出される天川の自然と私達。過去と今と未来をつなぐ作品に思えました。一旦、駐車場に戻って、車移動で訪ねた最後の作品は「水」。苔むした木道に置かれた作品は、この地らしくとても清らかで、水の生み出す力強さも感じました。
もうひと作品、全てのエリアにあるのが総合プロデューサーが展示するJIKUシリーズ。天空に放つ光の作品は午後5時に点灯。それまでの時間を過ごしていた時、最初に見つけられなかった作品はパフォーマンスで、その内のひとつが4時から行われることを知りました。Dragon Ashで活動してきたソロダンサーと天川で活動している和太鼓龍王が叩き踊るという内容。会場となるのは「龍泉寺八大龍王堂」。山に響く和太鼓の演奏から始まったパフォーマンスは、文字を使った表現者の作品を纏いながら舞い踊り続けます。「八大龍王尊」を前に繰り広げられる舞いと和太鼓の演奏は作品名「竜と龍の対話」そのものでした。
その余韻も冷めやらぬ夕暮れ時。温泉街を浮かび上がらせる提灯はこの地域全てが作品になったよう。その上空を一筋の光が放たれ、見上げる人々が光を通じて対話を始めることを望まれているそうです。
今回初めて全てのエリアを巡り、感じ、そして知った奥大和。この光は未来に続く力を可視化したように感じ、また来年、この芸術祭を楽しめればと思いながら、天川村を後にしました。
昼食後、隣村で買った人気の草餅が いつもの…。


創業500年のお宿…洞川温泉

使ったことはありませんが 心は同じです

現代アートとともに 天川の自然と歴史…MIND TRAIL

吊り橋は 奥大和の文化なのかも知れない

彼方には 山上ヶ岳…本日のピーク「大原山展望台」

自力で脱出困難 ^^; … 記憶のハンモック

科学えほん「じぶん」のはなし 等がありました…森の中の図書館 1

不自然のなかに自然を感じました

ようやく写真に…カワガラス

また来年…MIND TRAIL

厳かな世界…蝙蝠(こうもり)の岩屋

天川エリアのテーマは「水」

大峯山系を象徴する景色が ここにもあります

今回 一番の大作 「記憶のハンモック」

森に落ちるは「迷彩の滝行」

流れ落ちる姿が 美しい…かじかの滝

森の中の図書館の原点でしょうか…

これが MIND TRAIL の好きなところ

天川の自然を あらためて 感じた場所でした

人と作品が記憶する「千本のひげ根」

帰り道…車道からもインパクトがありました

大峯奥駈道が呼んでいます

自分のなかで 今回の最高傑作かも知れない…作品名「水」

色々な思いが 広がりました…

この景色はおまけみたいなもの…龍泉寺

真っすぐに伸びる光の軸に 力を感じました

変わらないのは自然だけでない いつもの…(笑)